2012年1月29日
2012年2月26日(現地時間)、第84回アカデミー賞授賞式が、ハリウッドのコダック・シアターで開催される。当初予定されていたホストはE・マーフィートだったが、ビリー・クリスタルに変更された。彼が起用されるのは9回目でアカデミー史上2番目の多さだ。
では一番は誰かと言うと、それはボブ・ホープだ。1948年から1978年の間に19回も起用されている。
1月24日に、プレゼンター、ジェニファー・ローレンスから23部門のノミネーションが発表されている。
23部門は下記のとおり。
作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞・オリジナル脚本賞・脚色賞・撮影賞・編集賞・美術賞・衣裳デザイン賞・メイキャップ賞・視覚効果賞・録音賞・音響編集賞・オリジナル作曲賞・短編映画賞・長編ドキュメンタリー賞・短編ドキュメンタリー賞・長編アニメーション賞・短編アニメーション賞・外国語映画賞
主要4部門である作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞のノミネーションは下記のとおり。
◆作品賞
The Descendants 『ファミリー・ツリー』
The Help 『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』
The Artist 『アーティスト』
The Tree of Life 『ツリー・オブ・ライフ』
Hugo 『ヒューゴの不思議な発明』
Moneyball 『マネーボール』
War Horse 『戦火の馬』
Midnight in Paris 『ミッドナイト・イン・パリ』
Extremely Loud and Incredibly Close 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
◆監督賞
ミシェル・アザナヴィシウス 『アーティスト』
アレクサンダー・ペイン 『ファミリー・ツリー』
マーティン・スコセッシ 『ヒューゴの不思議な発明』
ウディ・アレン 『ミッドナイト・イン・パリ』
テレンス・マリック 『ツリー・オブ・ライフ』
◆主演男優賞
ジョージ・クルーニー 『ファミリー・ツリー』
ジャン・デュジャルダン 『アーティスト』
ブラッドピット 『マネーボール』
デミアンビチル 『明日を継ぐために』
ゲイリーオールドマン 『裏切りのサーカス』
◆主演女優賞
ヴィオラデイヴィス 『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』
メリルストリープ 『マーガレットサッチャー 鉄の女の涙』
ミシェルウィリアムズ 『マリリン 7日間の恋』
グレンクローズ 『アルバートノッブス』
ルーニーマーラ 『ドラゴンタトゥーの女』
★参考情報
放送映画批評家協会賞、ゴールデングローブ賞コメディー/ミュージカル部門、製作者組合賞は、『アーティスト』が受賞。
ゴールデングローブ賞ドラマ部門受賞:『ファミリーツリー』
放送映画批評家協会賞受賞:ミシェルアザナヴィシウス
ゴールデングローブ賞:マーティンスコセッシが受賞。
放送映画批評家協会賞とゴールデングローブ賞ドラマ部門受賞:ジョージクルーニー
ゴールデングローブ賞コメディー/ニュージカル部門受賞:ジャンデュジャルダン
放送映画批評家協会賞受賞:ヴィオラデイヴィス
ゴールデングローブ賞ドラマ部門受賞:メリルストリープ
ゴールデングローブ賞コメディー/ニュージカル部門受賞:ミシェルウィリアムズ
作品賞と監督賞の合致度は80%以上
ゴールデングローブ賞と俳優組合賞をダブル受賞した俳優は、75%の確率でアカデミー賞受賞。
実在の人物を演じると受賞する可能性が高い
アカデミー賞前日まで紙面やwebに様々な情報が飛び交うのだが、それらの情報を整理し、読み解き、そしてまとめていくと、23部門のオスカーが見えてくる。
ただし、この作業は膨大な情報に接する必要があるため相当根気がいる作業となるのだが、ずばり的中させたときの喜びは大きい。
今年も最低7割は的中させたい。いよいよ本格的な情報収集と分析を始めることにする。
The Descendants 『ファミリー・ツリー』
「サイドウェイ」「アバウト・シュミット」のアレクサンダー・ペイン監督がジョージ・クルーニーを主演に迎え、ハワイで暮らすある家族に起こる出来事を描いたドラマ。
ハワイ・オアフ島で妻エリザベスと2人の娘に囲まれ幸せな人生を送っていたマット・キングだったが、ある日、エリザベスがボートの事故でこん睡状態に陥ってしまう。さらに、そのことをきっかけにエリザベスには恋人がおり、離婚を考えていたことが発覚。友人や長女もその事実を知っていたことにがく然としたマットは、自らの人生を見つめ直すことになる。
The Help 『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』
1960年代の米ミシシッピを舞台に、白人女性と黒人家政婦たちの友情が旧態依然とした街を変革していく様子を描いたベストセラー小説の映画化。
南部の上流階級に生まれた作家志望のスキーターは、当たり前のように黒人のメイドたちに囲まれて育ったが、大人になり白人社会に置かれたメイドたちの立場に疑問を抱きはじめる。真実を明らかにしようとメイドたちにインタビューを試みるスキーターだったが、誰もが口を閉ざすばかり。そんな中、ひとりのメイドがインタビューに応じたことから、社会全体を巻き込んだ大きな事態へと進展していく。
監督は「ウィンターズ・ボーン」などにも出演している俳優のテイト・テイラー。
The Artist 『アーティスト』
2011年・第64回カンヌ国際映画祭で主演男優賞を受賞した白黒&サイレントのラブストーリー。舞台は1927年のハリウッド。スター俳優のジョージ・バレンタインは若い端役女優のペピー・ミラーを見初めてスターへと導くが、折しも映画産業は無声からトーキーのへの移行期。声とセリフ回しに問題のあるジョージが落ちぶれていく一方で、ペピーはスターダムを駆け上がっていく。
監督は06年の第19回東京国際映画祭グランプリ受賞作「OSS 117 私を愛したカフェオーレ」のミシェル・アザナビシウス。
The Tree of Life 『ツリー・オブ・ライフ』
「天国の日々」「シン・レッド・ライン」のテレンス・マリック監督。
1950年代半ば、オブライエン夫妻は中央テキサスの田舎町で幸せな結婚生活を送っていた。しかし夫婦の長男ジャックは、信仰にあつく男が成功するためには「力」が必要だと説く厳格な父と、子どもたちに深い愛情を注ぐ優しい母との間で葛藤(かっとう)する日々を送っていた。やがて大人になって成功したジャックは、自分の人生や生き方の根源となった少年時代に思いをはせる……。製作も務めたピットが厳格な父親に扮し、成長したジャックをペンが演じる。第64回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した。
Hugo 『ヒューゴの不思議な発明』
世界各国でベストセラーとなったブライアン・セルズニックの冒険ファンタジー小説「ユゴーの不思議な発明」を、マーティン・スコセッシ監督が3Dで映画化。
1930年代のパリ。孤児の少年ヒューゴは、父親の残した壊れた機械人形とともに駅の時計塔に隠れ住んでいた。ある日、機械人形の修理に必要なハート型の鍵を持つ少女イザベルと出会ったヒューゴは、人形に秘められた壮大な秘密をめぐって冒険に繰り出す。
Moneyball 『マネーボール』
メジャーリーグ「オークランド・アスレチックス」のGM(ゼネラルマネージャー)、ビリー・ビーンの半生を、ブラッド・ピット主演で映画化。
全米約30球団の中でも下から数えたほうが早いといわれた弱小球団のアスレチックスを独自の「マネー・ボール理論」により改革し、常勝球団に育てあげたビーンの苦悩と栄光のドラマを描く。
監督は「カポーティ」のベネット・ミラー。
War Horse 『戦火の馬』
1982年にイギリスで発表され、舞台化もされて成功を収めたマイケル・モーパーゴの小説を、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化。
第1次大戦下、農家の少年アルバートは毎日を共にしていた農耕馬のジョーイを軍馬として騎馬隊に売られてしまう。フランスの戦地に行くことになったジョーイを探すため、アルバートは徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、激戦下のフランスへと向かう。
Midnight in Paris 『ミッドナイト・イン・パリ』
「アニー・ホール」「それでも恋するバルセロナ」のウッディ・アレン監督・脚本によるラブコメディ。
ハリウッドで売れっ子の脚本家ギルは、婚約者アィネズと彼女の両親とともにパリに遊びに来ていた。パリの魔力に魅了され、小説を書くためにパリへの引越しを決意するギルだったが、アィネズは無関心。2人の心は離ればなれになり……。
Extremely Loud and Incredibly Close
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』
2005年に発表され、「9・11文学の金字塔」と評されたジョナサン・サフラン・フォアによるベストセラー小説を、「リトル・ダンサー」「めぐりあう時間たち」のスティーブン・ダルドリー監督が映画化。
9・11テロで最愛の父を亡くした少年オスカーは、クローゼットで1本の鍵を見つけ、父親が残したメッセージを探すためニューヨークの街へ飛び出していく。第2次世界大戦で運命の変わった祖父母、9・11で命を落とした父、そしてオスカーへと歴史の悲劇に見舞われた3世代の物語がつむがれ、最愛の者を失った人々の再生と希望を描き出していく。