2009年10月23日

 

 

 久方ぶりに、レトロな作品、

 

H.G.ウェルズのS.F.月世界探険<FIRST MEN IN THE MOON>

1964/アメリカ 

監督:ネイザン・ジュラン 

主演:エドワード・ジャッド/マーサ・ハイヤー

 

グレン・ミラー物語」<THE GLENN MILLER STORY>

1954/アメリカ 

監督:アンソニー・マン 

主演:ジェームズ・スチュワート/ジューン・アリソン

 

ホワイト・クリスマス」<WHITE CHRISTMAS>

1954/アメリカ 

監督:マイケル・カーティス 

主演:ビング・クロスビー/ダニー・ケイ

 

を楽しんだ。

 

 45年前に制作された「H.G.ウェルズのS.F.月世界探険」は、現代のCGや映像技術からすれば、映像という観点からは、ひけをとるのは致し方ない。しかし、作品の中で酸素が湧き出す巨大な装置が出てくるのだが、これは美しい。もしかしたら、1966年に制作された「ミクロの決死圏」の映像美のヒントは、この作品にあったのでは?とも思えるほどだった。ストーリーは、いとも簡単に月へ到着し宇宙人や奇妙な生物と遭遇しながらも、無事帰還するという滑稽なものにも思えるが、ラストで語られるある現象へ込められた作者のシニカルな批判は、今もってまったく色あせることはない。「宇宙戦争」の原作者だけあって、ラストでの落とし方は同様な手法だった。
 
 「グレン・ミラー物語」は、作曲家、グレン・ミラーの伝記的作品。夢を実現させるため長年にわたり行動を起こしているものの、なかなか成就しない中、彼を支える妻や友人に助けられ、ついに夢を果たす。しかし、不幸が突然襲いかかり、すべてが絶頂の中で、飛行機事故で亡くなってしまう。彼と妻、そして仲間たちとの絆が暖かい視線で描かれていた。もちろんビッグバンド関係の人たちには必見の作品。

 

 「ホワイト・クリスマス」は、パラマウント自慢のヴィスタヴィジョン第一作。ミュージカル作品としてのタップや踊りはもちろんのこと、恋愛が実るまでの緩急なトピック、特に、戦線に参加していた当時の部隊長への恩返しのシナリオには泣かされた。ラストの大掛かりな舞台で唄われる名曲は、作品冒頭と見事に結実しており、暖かな気持ちになれる。

 これまでもレトロなミュージカル作品は観ているが、今回を機に、再度観る気になってきた。「五つの銅貨」「踊る大紐育」は近々に観たいと思っている。