2010年12月28日
12月28日の時点で、今年観た277作品の評価内訳は、◎3本、○149本、△51本、x74本。3本とはいえ◎の作品に出会えたことはやはり嬉しいものだ。◎の作品は、「セントアンナの奇跡」「リトル・ランナー」「きみがぼくを見つけた日」だった。
「セントアンナの奇跡」<MIRACLE AT ST. ANNA>
2008/アメリカ・イタリア
監督:スパイク・リー
主演:デレク・ルーク/マイケル・イーリー
第二次大戦下、戦場となるイタリアのトスカーナに送られた米軍黒人部隊の四人の兵士、無線兵でイタリア語が堪能なヘクター、リーダーのスタンプス、自分勝手なビショップ、心優しいトレインと、そこで出会ったアンジェロという少年との運命的な出会いが長い時間軸の中で描かれている。
作品は、1983年、黒人の郵便局員ヘクターが男性客を突然射殺する場面から始まるが、回顧シーンとして物語は一気に1944年に舞台を移す。戦場で何が起こったかが明らかにされたところで、再度舞台は1983年へと戻り、時間を超越したこの物語のエンディングを迎える。
「リトル・ランナー」<SAINT RALPH>
2004/カナダ
監督:マイケル・マッゴーワン
主演:アダム・ブッチャー/キャンベル・スコット
舞台は1953年、カナダ・ハミルトンにあるカトリック学校。難病の母のために奇跡を起こそうと、ボストンマラソンでの最年少優勝を目指す14歳の少年ラルフの姿が、笑いを誘う演出と共にたくましく、そして微笑ましく描かれている。
「きみがぼくを見つけた日」<THE TIME TRAVELER'S WIFE>
2009/アメリカ
監督:ロベルト・シュヴェンケ
主演:エリック・バナ/レイチェル・マクアダムス
作品の舞台は現代なのだが、物語の主人公のひとりであるヘンリーは、自分の意志で時間を制御することができないタイムトラベラー。一方、ヘンリーを愛してしまったヒロインのクレアは、普通の人。時間制御できないヘンリーはいつもクレアといることができず、現れたと思ったらまたどこかへ時空移動してしまう。そんな愛し合ってしまった二人の切ない思いがじんわりと沁みる作品。
いずれの作品も、主人公たちの真摯な気持ちと行動が僕に◎をつけさせた。愚直なまでまっすぐな思いと行動を伴った人たちの姿は、いつ観ても僕に勇気を与えてくれる。
瞬間風速的な突進ではなく継続的な邁進のためには、相当な思いと覚悟、そして実践の反復が必要だと思っている。
このような作品に出会ったときは、改めて自分の思いや行動を確認することにしている。僕の人生という作品が、僕が◎をつけるような作品になっているのかを。