1996年12月1日

女はその男といつまでも「ふたりだけの微笑み」を交わしていたかった。
しかし同時に「恋に落ちて」しまうのが怖かった。
それは「ある結婚の風景」を思い浮かべてしまったからだった。
女はまるで「ジキル博士とハイド氏」のように、自分が「可愛いい女」と「悪魔のような女」の「ふたり」の人格を自分がもっていることを知っていた。
一方男はその女を「欲望」の対象の女としてしか考えておらず、その女は自分の「結婚の条件」にはそぐわない女と考えていた。
男はいつも「欲望という名の電車」に乗って女に会いにいっていた。
そんな状況が続いていた時だった。
1984」年「ロサンゼルス」で女にとって「予期せぬ出来事」が起こった。
女は殺人事件に巻き込まれ「容疑者」として逮捕されてしまった。
殺されだ男は女のもう一人の恋人だった。
女は男にいつまでも「優しく愛して」欲しかったが、男は「さらば愛しき女よ」といって去って行った。
新開は「スクープ」合戦を結け、「心臓が凍る瞬間」のようなその殺入の残忍な手口から、女を「冷たい月を抱く女」と呼んだ。
48時間」投獄されていたが、女はついに決心し「13日の金曜日」に「大脱走」を試み成功した。
警察は「夜の大捜査線」網を張り、「大空港」や「」を「張り込み」の対象とした。
女は自分の無実を証明するために新犯人を捜し出すことにした。
暗くなるまでまって」から、信頼のおける二人の「フレンズ」と「コンラック先生」に助けを求めた。
パトカ一のサイレンに脅えながら「恐怖の夜」を「逃亡者」の身として「暗閣のささやき」を聞きながら過ごした。
翌朝「刑事」の「グロりア」と「ハスラー」である「オスカ一」に会い、「今そこにある危機」の全てを話し「どん底」から抜け出す方法を考えた。
―何故私が「殺人容疑」を受けなくてはならないのだろう―女は思った。
さっそく女は友人たちの協カを得、捜査を開始した。
そしてすぐにある男が捜査線上に浮かんだ。
それは女にとって「世界崩壊の序曲」に匹敵し、「大統領の陰謀」よりひどく「哀しみの伯爵婦人」になった気分だった。
なぜならば「偶然の旅行者」に会ってしまったようなものだったからだ。
去っていった男に対して「疑惑の影」を感じてはいたが、まさか彼がこんな「愛のかたち」で女に「愛と死」を具現化するとは夢にも思わなかった。
彼は「昔みたい」に「夢の中入生」を生きていたのだった。
彼女は彼の気持ちを分からないでもなかったが、やはり彼は「許されざる者」だった。
女はずっと彼に「普通の入々」でいて欲しかった。
しかし彼は15年前の「1969」年の女との「ふたり」だけの「避暑地の出来事」をすばらしい「おもいでの夏」として心にしまっておくことができなかったのだった。
男にとってその夜のできごとは「真夏の夜の夢」のようだったに違いない。
それは女にとっても同じだった。
彼は女にとって「初体験」の相手だったからだった。
「15歳の夏」のできごとだった。
15年間、彼と女にとって「沈黙の世界」が続いていたのだった。
しかし今その「沈黙」が破られてしまった。
女は一度「断崖」に立たされ「頭上の脅威」を目の当たりにした。
殺人課に勤務する「グロリア」は推測した。彼はすでに15年前女に「殺意」を抱いていたと。
あの夏は「殺意の香り」に満ちた「殺意の夏」だったのであろうと。
彼は女を「愛しすぎて」しまったのだ。
いつの日か「愛がこわれるとき」がくることを恐れるがゆえに。おそらくこの15年間、彼は「愛と哀しみの旅路」をさまよい続けて来たのだろう。
そして「愛の選択」として殺人を犯してしまったのだろう。
男が女を愛する時」それが極まってしまうと、このような悲惨な結果を生んでしまう。
彼、つまりコンラック先生は即座に逮捕された。
そして犯行を自供した。しかし「尋問」していくうちに彼は被害者を完全に殺していないことが分かった。
確かにナイフで切り刻んだものの「誰かに見られている」気配を感じ、「危険なささやき」が聞こえた気がして、すぐにその場から逃げ去ったのだ。
ウソをついているとは思えなかった。
目撃者」が存在しなかったので迷宮入りになるかと思われたが、二日後「真実の瞬間」がやってきた。
死体に付着していた髪の毛の「DNA」鑑定によって、それは彼のものではないことが判明した。
驚くべき事実が明らかになり「背徳の仮面」が剥がされた。
その「DNA」判定は女のものと完全に一致したのだった。
女はあっさり犯行を認めた。
彼が途中で逃げた後、落としていったナイフを拾い、さらに何回も被害者をミンチのように切り刻み殺害したのだった。
動機は女にとって「これからの人生」をよりよく生きていこうと思っていた矢先に、被害者の存在によって男が女の元から去ってしまう、という誇大妄想からのものだった。
人はいつ加害者になり、いつ被害者になるか誰も予想できない。
恐怖のメロディー」は常に流れている。

 今回は趣向を変え小説調で楽しませてもらった。ところで77本の作品名を引用したが、皆さんはどれくらいタィトルを知っていましたか?