1996年6月26日

1980年代、第2弾のテーマは、「サスペンス・ミステリー・ホラー」といこう。
 今日、ビデオで「キングダム・第一章/第二章」という作品を4時間立て続けに観たのだが、これがとてもおもしろかった。あっという間に時間が過ぎ去って行った。ただ、物語りはまだ完結せず、TO BE CONTINUED ということで終わってしまい、欲求不満の状態に陥ってしまったが。しかし、作品の完成度の高さと、おもしろさに免じて、自分に我慢我慢といい聞かせている。早く第三章以下、完結までみたいものだ。
 ところで、この作品を観た人は、作品ジャンルとして、どの分野に入れるだろうか。僕は、こういう作品をサステリーホラーと呼ぶ。サスペンスであるし、ミステリーでもあるし、ホラーでもある。つまり、一つのジャンルだけでは表現することに無理があるのだ。ある人はミステリー、あるいはサスペンスと捉え、ある人はホラーと捉える。要は人によって定義が異なるのだ。誰が観ても明らかにジャンル分けできる作品の方が多いとは思うが、そうでない作品のために敢えてお茶を濁せるようにサステリーホラーと呼ぶことにする。
 では、さっそく今回のテーマに入っていこう。

 僕の印象に残っている作品としてまずあげたいのは、「屋根裏部屋の花たち」だ。
 この作品はバージニア・クレオ・アンドリュース原作で、全米ベストセラーになった小説の映画化だ。主演は「カッコーの巣の上で」で憎たらしい看護婦長を演じて、アカデミー主演女優賞を受賞したルイーズ・フレッチャー。女性の表と裏、この作品では、<母親>と<女>の均衡が極端に崩れてしまったことにより起こる、悲惨な物語が描かれる。ラストシーンでは、子供達は自由を得た。だがその結末は子供達にとって、本意でなかったことはいうまでもない。後味の悪い作品であったと同時に、子を持つ身としては、ショックが大きい内容の作品だった。
 次はマイケル・ダグラス、グレン・クローズ主演の「危険な情事」だ。この作品が受けた理由の一つとしては、ここまで危険で執拗な女性はそうはいないが、ただ、いたとしても不思議ではない、という表裏一体感をより現実的に、より主観的に観客に感じさせたからではないだろうか。今僕の家ではウサギを飼っているが、鍋で煮込むなんてことは絶対許せない。
 男が女に悪さをする作品は数多いが、女が男にここまで悪さをする作品としてはなかなかよくできていた。この作品は、どろどろ、ねちねちの類いに入ると思うのだが、一方では女が男に悪さする作品でも、爽やかな印象を受けた作品もある。キャサリン・ターナー、ウイリアム・ハート、ミッキー・ローク主演の「白いドレスの女」だ。ラストシーンには綺麗な落ちが用意されていて、お洒落度合いがなかなかいかしていた。この作品は1981年に制作されているので、すでに16年前の作品になってしまった。このときのターナー嬢は見事な脚線美と妖艶さを画面いっぱいに漂わせいたのに、今ではこのときの面影はどこかにいってしまい、ただのオバサンになってしまった。歳月にはさすがの悪女も勝てなかったのだ。白ついでにもう一つ。「白と黒のナイフ」 主演はまたまたグレン・クローズ。一方のお相手は、ジェフ・ブリッジス。今度のお話は男が女を手玉に取るものだ。法廷劇とラブ・ロマンスを組み合わせたサスペンス・サイコロジーで愛と疑惑を巧みに描いた作品だった。ドレスついでにもう一つ。「殺しのドレス」 ナンシー・アレンは愛らしい。犯人の使用したナイフの切れ味は抜群だった。きっと、よっぽど高価ななものなのか、毎日就寝の前に研いでいたのだろう。
 今度はランダムに作品をあげていく。                                   
背信の日々」捜査は愛をも越えるのか。
愛は危険な香り」ダイアン・レインは本当にきれいだ。窓から入る風がベッドのカーテンを揺らすシーンは妖艶だった。
F/X 引き裂かれたトリック」こんな技術を持っていたらどんな就職難がこようと何も恐くない。
追いつめられて」米国防省、CIA関連のストーリーにコスナー、ハックマンが絡んだサスペンスなのだからそりゃあ楽しめるはずだ。
ミッドナイト・クロス」トラボルタの馬顔にどうも馴染めない。
容疑者」トラボルタに続いて馴染めない顔のシェール。作品としては僕の好きな法廷もので、ストーリーもきちんとしていた。
目撃者」シガニー・ウイーバーもやはり普通の女性だった。決してリプリー一本槍ではなかった。
フランティック」外国旅行に行って妻が突然消えてしまったら、きっと保険金目当ての殺人容疑者として日本の新聞には書かれるだろうな 。
 この続きはまた次回へ繰り越すことにする。