1996年9月25日

僕は毎回この原稿をワープロで打っている。仕事でもワープロを使っているためか、最近どうも漢字が書けなくなってきた。読めるのだが書けない。何と情けないことか。そんな思いもあって国語辞典を開いてみた。
 「あ」の1ページを開いてみると、愛という文字が目に入った。「愛」がつく漢字は多い。

愛情、愛撫、愛称、博愛、情愛、恩愛、慈愛、偏愛、寵愛、愛人、恋愛、愛読、愛唱、愛玩 愛憐、愛護、友愛、愛惜、愛育、愛飲、愛機、愛嬌、愛郷、愛吟、愛顧、愛好、愛妻、愛児 愛日、愛着、愛書、愛嬢、愛想、愛憎、愛息、愛重、愛鳥、愛慕、愛欲。

 ざっと上げてみたがこの他にもまだまだありきりがない。愛のついでに恋も引いてみたが、こちらの方はさほどでもなかった。
 恋歌、恋風、恋仇、恋心、恋情、恋路、恋女房、恋文、恋人、恋煩い、恋着、恋慕、恋恋などが記載されていた。
 さらに英語でLOVEに関する表現を拾ってみた。
 LOVE MATCH(恋愛結婚) LOVE MATE(恋人) LOVE GENERATION(ヒッピー)
 LOVE PHILTER(ほれ薬) LOVE APPLE(トマト) LOVE SICKNESS(恋煩い)
 THE FRUIT OF LOVE(愛の結晶) LOVE AFFAIR(情事) CONJUGAL LOVE(夫婦愛)  LOVE LACE(道楽者)などが記されていた。
 僕自身、愛だの恋だのからは卒業したが、相変わらず映画では、このテーマが様々な表現の仕方で多数制作されている。人の数だけそれぞれの愛や恋の形があるし、あったはずだ。映画としてもこのテーマが数多く取り上げられるということは、なるほど納得できる。

 そこで今回はタイトルに愛、恋がつく1980年代の作品を取り上げてみることにした。ただしかつて取り上げた作品は割愛した。

愛と哀しみの果て
ケニアを舞台にした冒険家<ロバート・レッドフォード>と人妻<メリル・ストリープ>との大人の恋の物語だ。太陽の光がとても綺麗に二人を照らしていた。
「愛と宿命の泉」プロバンスの雄大な自然の中での人間の葛藤が描かれている。自然から見ると何と人間は浅はかかで小さい存在なのだろうか。
愛と青春の旅立ち」これぞ映画。ラストがもう最高!海軍士官学校の制服はいかす。
愛と追憶の日々」家庭回帰をベースに、母と娘の人生が笑いとペーソスをもって暖かく描かれている。こういう親子の話、いろいろと参考になるな。
愛にふるえて」壷の中にいたのは妖精だった。こんなにかわいい妖精がいるのなら、僕も本気になって壷集めでもしてみるか。
愛のかたち」パリで起きた人肉嗜食事件がベース。エバラ焼き肉のたれをつけてもまずいだろうな。
愛は霧のかなたに」シガニー・ウイバー、マウンテンゴリラと共演。彼女にはやはりエイリアンの方が似合っている。
愛は静けさの中に」耳が聞こえなくても心の声は聞こえる。
熱き愛に時は流れて」ギャビンとバブスは皆の祝福を受け結婚したが、やがて心が通いあわなくなっていった。ギャビンの甥であるトニーを加えた男女3人の幸せと挫折を、25年間という時間の中に描いた作品。愛の重さは時間によって変わり得るのだ。
「歌え!ロレッタ・愛のために」シシー・スペイセクってちっとも美人でないが、演技は認める。こういう俳優がいるところがアメリカ映画の俳優層の厚さだ。
殺したいほど愛されて」おじさんが若くて綺麗な妻を持つといつしか嫉妬に苛まれて完全犯罪を企むようになる。身の程を知ることが、男女双方にとって自分の身を守る近道かもしれない。
この愛に生きて」高校生でママになってしまうと、コギャルのようには遊べなくなるだろうが、それも一つの選択だ。
この愛の行方」里親制度を描いた心暖まる作品。
愛しのロクサーヌ」相変わらずスティーブ・マーチンが楽しい。大きな鼻だっていいじゃないか。お茶の水博士だって明るく楽しく生きていたに違いない。
おもちゃがくれた愛」―愛とは人を愛することで手に入れるもの―。いい台詞だった。
恋しくて」片思いはつらいけど、いつかきっと振り向いてくれる・・・。なんていうのはそうないよな。映画のようにはうまくいかないだろうな。
恋に落ちて」どうにもならない大人の恋。いけないとわかっていても・・・。
恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ」ブリッジス兄弟が兄弟役で共演した作品。ミッシェル・ファイファーが魅力的だ。
恋人ゲーム」カメラ少年の初体験相手はロックシンガーだった。こうして皆大人になっていく。
恋人たちの予感」作品のテーマはセックス抜きで男女の愛情は成り立つか?だった。皆さんはどう思いますか。
 ざっと20本を取り上げたが、皆さんはどのパターンに近い愛や恋をかつてし、これから再びする?のでしょうか。