1997年1月15日

1996年に僕がみた映画の本数は277本だった。
 277本に対する評価内わけは、◎7本○140本△71本X59本となっており、楽しめた作品と楽しめなかった作品の比率がほぼ同じになってしまった。時間を費やす以上いい作品だけをみたいのだが、どこにいい作品が隠れているか分からないので、つい本数をみてしまうことになる。
 ◎の作品群は「ショーシャンクの空に」「8月のメモワール」「ブレイブ・ハート」「最高のルームメイト」「陽のあたる教室」「ラングーンを越えて」「スカーレット・レター」だった。
 「ショー・・・」「ブレイブ・・・」「ラング・・・」「スカー・・・」の4作品は、強い信念と不屈の闘士の尊さを、「最高の・・・」「8月の・・・」「陽のあた・・・」の3作品は、人を思いやること"の尊さをそれぞれ違う表現で、深遠に訴えかけて来た。いずれの作品も僕の心を大いに魅了し感動させてくれた。これだから映画はやめられない。

 次に○の作品群で特に印象に残っている作品を取り上げたい。
日の名残り
ミス・ケントンへの感情を抑え、執事としての職務をまっとうする寂寥なまでのアンソニー・ホプキンスの姿が僕には痛々しく思えた。
「死と処女」
過去に拷問を受けた女性の復讐心理描写を、恐ろしいくらい見事にシガニー・ウイバーガ演じていた。
クリムゾン・タイド
このような作品をみていると、いつ核戦争が起こっても不思議でないように思えてくる。しかも一人の人間がもつある一種の狂気によって可能なところが実に恐ろしい。
黙秘
次第に明らかになっていく母親の娘を思うがために起こした夫殺し。母と娘の葛藤が実にリアリティーに富んでいた。この母親役は初めからキャシー・ベイツを想定して脚本が書かれたというだけあって、完璧にハマリ役だった。この作品は彼女でなかったら、ここまでの恐怖感を醸し出せなかっただろう。
マザーズ・プレイヤー
エイズと診断され、自分が生きているうちに子供にとっていい里親捜しをする母親の物語だった。子供の将来を考えた彼女の選択は正しい。しかしこのような選択を生きているうちにできる人は決して多くはないだろう。
キッシンキャー&ニクンソ」「トルーマン」「ニクソン
過去の米史の中で、どのように政策が決定され遂行されていったのか、又彼らはどのような人物だったのかを再度認識することができた。
ヒート
仲間を大切にしたがために命を落としたデニーロ。ワークホリックであるがために家庭を維持できないパチーノ。ラストの手を取り合うシーンに、敵でありながら男同士の友情を認めあった二人に、男の中の男を見た。「ジャンクション」迫害される人種をを黒人から白人に置いた観点は新鮮に写った。そしてボタンを一つかけ違えることにより、連鎖的に人生が狂っていってしまうという描写はとても現実的であり恐ろしい。
囚われた女
バンコクが舞台ということと、個人的にニコール・キッドマンのファンであることもあって気に入った。タイの刑務所がどのようなところかが理解でき、やはり袖の下が物をいうのはどこでも同じだということも分かった。
星に想いを」「フレンチ・キス
メグ・ライアンが相変わらずキュートで愛らしかったのと、ユーモア満載のロマンティックなストーリーは健在だった。
眠れない夜をあなたに」「あなたが寝てる間に」「恋人までの距離」「サブリナ」「アメリカン・プレジデント」のラブロマンス作品は、恋っていいな、と昔を思い出させてくれた。
愛に迷った時
夫婦の問題を取り上げた作品だが、―恋して結婚したのに、なんでこうなってしまうんだ―という、どこにでも落ちていそうなリアリティーある物語だった。
 
ここで印象に残っている台詞を上げておく。

―人生の目標に向かって、まっすぐ進むことだ。それに伴う代償を恐れてはいけない―。
エイトセカンド」 ロデオの世界チャンピオンの実話。

―銀婚式は5年、金婚式は10年―
BYE BYE LOVE」 子持ちの離婚した3人の男と新しい女性との出会いの物語で、現在アメリカの大きな問題の一つである離婚によって起こる心への障害や子供への影響などをサラッと描いた作品。
 
子供といっしょに観た作品で楽しめたのは「ジュマンジ
次に何が出てくるのか子供はワクワクしてみていたのと、リアルな動物たちのユニークな描写が面白かったようだ。

ケイティ
ゴリラを助ける少年の物語で、心暖まるストーリーだった。ただ、そのうちゴリラといっしょに住みたいといわれるのが心配だ。
イレイザー
既にターミネーターはみていたので、A・シュワルッツネッガーが又も派手に敵をやつけるのが楽しかったようだ。
ダイ・ハード3
も同じ理由で派手なアクションが気に入ったようだ。
キャスパー
ファンタスティックで魔法が使えるところと、キャスパーがかわいらしかったのがよかったようだ。

 映画って本当にいいですね。1997年は300本を目標にする。