2005年2月11日

 

 犬も食わない夫婦喧嘩。ロスのショッピングモールで熟年夫婦が離婚の危機に。 

 

結婚記念日」<SCENES FROM A MALL>

1990/アメリカ

監督:ポール・マザースキー 

主演:ベット・ミドラー/ウディ・アレン)

 

はなかなか楽しめた作品だった。

 

 場面はショッピングモールに限定されているが、エスカレーターや駐車場、そしてドラッグストアやレストランにファーストフードなどとカメラワークは快適で小気味よい。離婚の危機をリアルな会話で進行させながらも、最後は観客をハッピーな気分にさせてしまうこの監督はすごい。また、相変わらずのとぼけたウディ・アレンが完璧なまでにこの役にはまっている。

 ベット・ミドラーもしかり。いつもの豪快でしゃべりまくりの喜怒哀楽絶好調おばさん健在といったところだ。この作品の最大のポイントは、なんと言っても二人の会話。次から次へと続く別れ話と思い出話の繰り返し。この会話が実にテンポがよく観ていてワクワクしてしまう。もちろんカメラワークもテンポが速いため、さらに会話を弾ませている。
 

 ショッピングモールという限定された空間で展開されるこの作品は、どことなく舞台劇にも似ている気がした。そう感じたのは、やはり絶妙な会話とその多さからきているのだろう。

 

「フォーン・ブース」という作品があった。

 作品ジャンルはまったく違うのだが、タッチでいうと同系統の作品になると思っている。電話ボックスという超閉塞的な空間、そして見えない犯人との会話場面の多用。このような限定された場面設定は、作品に緊迫感を与えるし、より作品がリアル感を帯びる。


 「結婚記念日」は、17年目の結婚記念日に起きた夫婦の危機だった。そもそも、さまざまな意味で環境が違う他人同士がいっしょに暮らすのだから、意見の相違や喧嘩が起きて当然のこと。それでもどこかで険悪になった雰囲気を修復しようと、お互いに歩み寄る。まあ、夫婦とはそんなもので、一歩進んでは、また一歩後退の繰り返しなのだろう。

 我が家は今年で結婚18周年になる。僕の感覚でいくと、銀婚式はすぐのような気がするのだが、さすがに金婚式ともなると、はるか彼方のこととなり、50年を連れ添うというのはとてもすごいことなのだと思う。さらに10年経った60年、さらに15年経った75年を迎えるとダイヤモンド婚になる。もうここまで来るとまさに未知の世界だ。まあ、未知の世界は別として、我が家については、まずは銀婚式を無事に迎えたいと思っている。


 ちなみに、25年を迎える前の20年目には磁器婚式と言う名称がついている。この意味は年代と共に値打ちが増す磁器のような夫婦、ということだ。ちなみに、それぞれの結婚年数によって、ちゃんとした名称とその意味があることをみなさんは知っていましたか。参考までに記しておきます。

 

1年:紙婚式
2年:藁婚式:質素倹約を意味し、贅沢を戒める
3年:革婚式:そろそろ倦怠期、革のように粘り強く
4年:花婚式:花が咲き、実がなるように
5年:木婚式:夫婦がやっと1本の木のように一体になる
6年:鉄婚式:鉄のように強い人生を
7年:銅婚式:家族、財産の安定を銅に例えて
8年:ゴム婚式:弾力性のある2人の生活を
9年:陶器婚式:陶器を大事に扱ってヒビが入らなかった
10年:錫婚式:錫のように美しさと柔らかさを兼ね備えて
11年:鋼鉄婚式:鋼のように強い愛の力で結ばれて
12年:絹婚式:絹のようなきめ細やかな2人の愛情
13年:レース婚式:さらに深く綾なす愛の証
14年:象牙婚式:象牙のように年齢を重ねて輝く価値
15年:水晶婚式:透明で曇りのない水晶のような信頼
20年:磁器婚式:年代と共に値打ちが増す磁器のような夫婦
25年:銀婚式:結婚生活の一区切り、いぶし銀の美しさ
30年:真珠婚式:富と健康をあらわす海の宝石に例えて
35年:珊瑚婚式:永い年月を経て成長する珊瑚に例えて
40年:ルビー婚式:深赤色のような2人の深い信頼と誠意
45年:サファイア婚式:誠実と徳望で結ばれた結婚生活
50年:金婚式:金色の輝きを得たという豊かさで大きな記念日
55年:エメラルド婚式:深く静かで尊い夫婦の生活
60/75年:ダイヤモンド婚式:長寿と一族の繁栄を意味する最高の結婚記念日