2007年1月21日

 2007年が始まった。今年もいい作品に出会いたいと思う。2006年に観た353本の作品評価は、◎3本、○132本、△76本、x142本となった。
 ◎作品の「きみに読む物語」「スタンドアップ」「私の頭の中の消しゴム」は、すでにコメントでも取りあげたように人間の尊厳や家族の絆が丁寧に描かれていた。
 ◎こそつけはしなかったが、『切なく泣ける「怖い話」』は期待以上の作品だった。実は「切なく」、という表現だけで観てしまった作品だった。タイトルに「怖い」、とつくくらいなので確かに怖い部類の話にはなるのだが、決して怖いだけの物語ではなかった。殺伐としたこの時代だからこその感想になるのだろうが、どこか優しさや、暖かさを感じる作品だった。


 実話としてこんなことがあったのかと思ったのは、

ブリタニック」<BRITANNIC>(2000/イギリス)。ブリタニックはタイタニック号の姉妹船だ。タイタニック号の沈没は有名だが、ブリタニック号の沈没はあまり知られていないのではないだろうか。タイタニック号の事故から4年が過ぎた第一次世界大戦中、ブリタニック号は病院船としてイギリスからギリシアに向って出航するのだが、1916年11月21日、病院船としての5回目の航海中にエーゲ海沖でドイツ軍の機雷に触れ沈没沈没してしまう。作品は船内にドイツのスパイが潜んでいるという構成で、スパイと女性捜査官の結ばれぬ恋愛が織り込まれていた。


 「カルマ」<INNER SENSES>(2002/香港)という作品は、犯人探しとその方法や動機を考えるというゲーム感覚的な楽しみ方ができる作品だった。犯人や殺害方法、動機についての解答は、公式本を購入するとわかるのだが、それよりはブログのほうが面白いかもしれない。作品を観た人たちがたくさんいれば、その分の推理がある。どれも当たらずとも遠からず的な推理がとにかく数多く語られていた。きっと答はあれに違いない。実は公式本を購入していない。

 

 「ミッドナイト・スティング」<MIDNIGHT STING<(1992/アメリカ)は、有名な「スティング」のボクシング版。主演のジェームズ・ウッズはこのような役にはピッタリだし、ルイス・ゴセット・Jrのおとぼけもいい。落ちはわかっているのだが、二転三転の大逆転ものは脚本がしっかりしているからこそ楽しめる。


ドア・イン・ザ・フロア」<THE DOOR IN THE FLOOR>(2004/アメリカ)

海を飛ぶ夢」<MAR ADENTRO>(2004/スペイン)

死ぬまでにしたい10のこと<MY LIFE WITHOUT ME>(2003/カナダ・スペイン)、「バイバイ、ママ」<LOVERBOY>(2004/アメリカ)

 

 自分自身の死。近親者の死。人にとって「死」とは何なのだろうか。人は死をどう捉え、どう対処していくのだろうか。人により死の意味は違うが、いずれの作品も、絶望的な死ではなく、「人生に立ち向かうこと」をテーマにした「死」を扱っていた。どれも考えさせられる作品だった。
 中古ビデオ屋で購入したストックはすでに300本になるのだが、作品ジャンルの幅が、狭くなっていることに気づいた。今年はジャンルの幅のことも考えながら購入しようと思っている。思いもよらずGoodな作品に会えることを期待して。