2016年8月7日 

 

400本鑑賞にはほど遠いが、あと1本観ると100本になる。 

今年はすでに3本の◎作品に出会えた。その1本が下記の作品。 

 

ソウルガールズ」<THE SAPPHIRES 

 

2012/オーストラリア 

監督:ウェイン・ブレア

主演:クリス・オダウド/デボラ・メイルマン

 

<概略 amazon

1968年、オーストラリア。アボリジニの居住区に暮らすゲイル、シンシア、ジュリーの三姉妹と従姉妹のケイは 幼い頃より歌が好きで、カントリー音楽を歌いながらスター歌手になることを夢見ていた。だが根強く残る差別から、コンテストに出場してもあからさまに落選させられる。

そんな状況から抜け出したいと思っていた矢先、自称ミュージシャンでソウル狂いのデイヴと出会いソウル・ミュージックを叩きこまれることに・・・。

この作品は実話に基づいている。 

 

作品の魅力は、差別にもめげず目標に突き進んでいくアボリジニ女性たちのたくましさと愛らしさ、そしてガッツだ。そこに、素晴らしいソウルミュージックが添えられている。 

 

作品はテンポよくリズミカルに進んでいく。

3人姉妹と従妹のすれ違いと理解・コンテスト参加とデイブとの出会い、そして、ベトナムでのアメリカ軍の慰問と戦場シーン、というように観客を飽きさせない。

 

また、3人姉妹の長女、ゲイルの心の変化が実にうまく描かれており、お話が進むにつれ、彼女の幸せを願わずにはいられなくなってしまった。 

 

ちなみに、オーストラリア政府が先住民族アボリジニの子どもたちを親から強制的に隔離したものの、少女たちは母に会いたいがために1500マイル(2400キロ)もの道のりを、90日間歩き続けた彼女たちの健気な姿を描いた「裸足の1500マイル」という作品にも出ている。 

 

実際には、成功するまでは大変な苦労があったことは容易に想像がつくのだが、この作品はその悲惨さを前面に出さず、ユーモアーを交えながら夢に向かって進み続ける彼女たちを微笑ましく、そして誇り高く生き生きとスクリーンに映し出していた。