2016.10.09
「パレードへようこそ「<PRIDE>
2014/イギリス
監督:マシュー・ウォーチャス
主演:ビル・ナイ/イメルダ・スタウントン
<概要 amazon>
1984年のサッチャー政権下、不況に揺れるイギリス。ロンドンに住むゲイの青年マークは、スト中の炭坑労働者とその家族を支援するため、ゲイ&レズビアンの仲間たちと『LGSM』という組織を結成し募金活動を始める。しかしいざ募金を集めてみると、彼らへの偏見で支援の申し出はことごとく断られてしまう。そこに唯一支援を受け入れてくれる炭坑が現れたが、それはちょっとした勘違い。お礼に招いたウェールズの炭坑町の町民たちは、初めて出会った『LGSM』の面々に驚き、偏見を持って冷遇する。しかし、最初は冷ややかだった町の人々も交流するうちに徐々にお互いの心が開き始める。だが一方、炭鉱労働組合と政府の交渉は決裂しストは長期化、さらにサッチャーは組合員の家族手当を停止を宣言。苦境を知った『LGSM』の面々は更なる支援資金集めのコンサートを企画するが、その先には思わぬ困難が待ち受けていた……。
この作品は実話に基づいている。
作品が終了しテロップが流れるのだが、それぞれがそれぞれの道を今も進んでいることが伝えられ他人事ながら嬉しくなる。
いい台詞があった。ゲイバーで炭鉱夫代表が、客たちに語りかけるシーンだ。
「僕が皆さんに言いたいのは、感謝です。彼らのバケツに募金してくれた人にLGSMを支援してくれてありがとう。皆さんがくれたのはお金ではない。友情です。自分よりはるかに巨大な敵と闘っているときに、どこかで見知らぬ人が応援してくれると知るのは最高の気分です。ありがとう」
今でこそゲイは市民権を得たが、30年前には大きな差別の目があった。その差別に立ち向かうゲイと、彼らを理解し炭鉱労働者を守ろうとする炭鉱夫たちとの友情・連帯の印が、最後のシーンに現れる。
思わず拍手してしまいたくなるようなグッとくる素晴らしいワンカットだった。