2016.12.04

 前回、「大人の素敵な恋愛」という言葉を使った。今回も、その系統の作品を取り上げる。

 

 

かけがえのない人」<THE BEST OF ME

 

2014/アメリカ

監督:マイケル・ホフマン

主演:ミシェル・モナハン/ジェームズ・マースデン

 

<概要 amazon>
石油採掘基地で働くドーソンはある日爆破事故に遭い、走馬灯の中で高校時代の恋人アマンダの幻想を見る。

 その後、奇跡的に一命を取り留めたドーソンは、20年ぶりにアマンダとの再会を果たす。アマンダは幸せな家庭を築いていたが、夫との間には徐々に広がる溝があった。

 20年前、深く愛し合いながらも別々の人生を歩まざるをえなかったドーソンとアマンダ。二人の運命が再び交錯し、心の奥に封印していた“想い"がよみがえる。

 

 

 なんとも切ない物語だった。

 

 心の中に大切にしまっていた人と突然再会したら、人はどのような反応を示すのだろうか。心の中にその人がいた期間、現在の年齢・環境等により反応は様々であろうし、また、どのような背景で心の中にいたのかにもよるだろう。

 

 この作品のように、双方が望まない形で離ればなれにならざるを得なかった場合での再会は、時として周囲に思わぬ副作用を引き起こす。作品では、それをわかっていても運命に導かれてしまう二人の姿があった。そんな副作用を乗り越え、まさに新しいスタートを切ろうとした矢先に事は起きた。運命の再会により永遠に続くと思われた幸せは、再び実にあっけなく終息してしまった。

 

 しかし、二人の思いはある形に変わり続いていく。実に切ないラストが待っている。観客はこのラストを観たとき、二人の再会は運命であり、また、プラス作用をもたらすための必然の再会だったことを知る。

  

 この作品は、おもっいきり切ない気分に浸りたい方々に向いている作品であり、また、心の中に大切にしまっている人がいる方たちが観て何かを感じる作品である、ともいえるだろう。

 

 ちなみに、この作品にはもうひとつのエンディングがある。ここではそれには触れないが、どちらをいいと感じるだろうか。僕の場合は、今回のエンディングに惹かれる。