2017.05.21
「幸せのバランス」
<GLI EQUILIBRISTI>
2012/イタリア・フランス
監督:イヴァーノ・デ・マッテオ
主演:ヴァレリオ・マスタンドレア
バルボラ・ボブローヴァ
<概要 amazon>
父親のたった1度の過ちをきっかけに崩壊していく夫婦と家族の愛を描くイヴァーノ・デ・マッテオ監督作。
ふとしたはずみで、同僚女性との浮気を妻に知られてしまったジュリオは家を出ることに。思春期の娘は何とか父との繋がりを保とうとするが…。
作品では夫が家を出ていく。
友人を頼り住居を確保していくが、やがて家賃が払えなくなりホームレスとなり自殺を試みてしまうほど追い込まれていく。
彼にはプライドもあり生活が困窮していることを家族にはもちろん、他者に告げることができない、と言う設定はよく理解できる。
作品後半にかけて、彼の様子がおかしいと思い始める妻と娘。そしてあの食事のシーンで、初めてそれがまさに異常であることを実感した妻と娘が街中を探し回る。その間、彼は妻と娘が必死に探していることを知らずに死を選択した行動を取ってしまう。
この作品では生活の困窮がホームレスのきっかけとなり、その環境から抜け出せなくなった結果、既述のような内容になっていった。
ホームレスについてwikipediaを参照した。
記述内容の注釈に“この節は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です”と記されている通り信憑性が希薄ではあるのだが、市民感覚で言うと報道などを通して見聞、あるいは、ある程度予想される記述なので要約することにする。
ホームレスに至る原因は、下記のような理由で住居を退去したものの、代わりの住居を確保できない状況になってしまったことが挙げられる。
・破産、失業、病気、障害により収入がなくなった、減った。
・予想や期待より収入が減った。
・雇用主から提供されている住居である官舎・社宅・寮に居住していたが、上述のようなことがあり、住宅購入のための借金を返済できなくなった、あるいは支払えなくなった。
・銀行、事業者金融、消費者金融、ヤミ金融などからの借金を返済できなくなり取り立てから逃げた。
・離婚や離婚を求めての別居。
・ドメスティック・バイオレンス、復縁を求める元配偶者のストーカー行為から逃げた。
・親権者に養育されていた児童が、常習的な児童虐待に耐えられなくなり家出した。
・警察から犯罪の被疑者として公開手配され逃亡した。
この作品の場合は、離婚や離婚を求めての別居に該当する。
既述のような様々な観点から見ると、世の中にはホームレス予備軍は意外と多く、また、決して他人事ではないのかもしれない。