2017.06.07
ここのところ続けて韓国作品を観ている。
ジャンルは感動系・ほんわか系・サスペンス系・恋愛系・グロ系とばらけている。評価はほとんどが○。
グロ系作品には、相変わらずリアルで残忍でどぎつい描写が多い。話も徹底して不幸のどん底を描いている。ここまで不幸にする?という印象。
「幸せを運ぶ友」(2010)
監督:ソン・ジョンオ
主演:キム・テウ/パク・ソンウン
<概要 amazon>
リストラの候補に挙がっている証券会社課長、ファン・ウジンは父親が昏睡状態で入院しており、多額の借金を抱えていた、そんなある日、旧友のチョンフンと再会したことから彼の人生に転機が訪れる。
開始30分で展開が読めてしまうのだが、目を放せないままあっと言う間にラストへ一直線。
しかし、後味は相当悪い。
えぐい系は、とにかくこれでもかと地獄に突き落としてしまうこのような展開が多い。どこにも救いがないストーリーが特徴的だ。
「コインロッカーの女」(2015)
<COIN LOCKER GIRL>
監督:ハン・ジュニ
主演:キム・ゴウン/キム・ヘス
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下鉄のコインロッカーに捨てられた赤ん坊。成長した彼女は、裏社会を支配する“家族”の一員となる。そんな中、イリョンは父親が残した多額の借金を抱える青年ソッキョンの元へ取り立てに行くが、不幸な生い立ちでもめげない彼に次第に惹かれていく…
同様に展開が読めてしまうが、相当引き込まれてしまう結果となった。
物語は、一人の女性の生い立ち~現在にいたるまで~現在の環境~の順番で描かれていく。
その中で、淡くも切なく残忍な描写により、つかの間の恋愛が瓦解するさまは、何もここまで、とついつぶやいてしまうほどの残酷さだ。
「海にかかる霧」(2014)
<SEA FOG>
監督:シム・ソンボ
主演:キム・ユンソク/パク・ユチョン
<概要 amazon>
不況下にあえぐ漁村。今日もチョンジン号は、一発逆転の大漁を夢見て沖に出たが叶わない。追い詰められた船長のチョルジュは、中国からの密航者を乗船させるという闇ルートの仕事を引き受けてしまう。
沖合で密航船と合流し、密航者たちをチョンジン号に乗り換えさせて陸へ運ぶ―簡単に見えた計画は、海上警察の捜査や突然の天候悪化に阻まれ、思いもよらぬ事態に陥って行く。海に霧がかかる時、大漁を夢見ていた船員たちの運命の歯車が狂い始める…。
やはり展開が読めてしまったが、観客を飽きさせないシナリオが用意されている。
途中から始まる描写は実にグロい。
いったん箍が外れた人間は、人間でなくなり獣になる。まさに主人公がそうだった。彼なりに言い訳をし事を進めていく描写には身の毛がよだつ。そして、監督は二人の男女の悲しくもやるせない結末へと物語を導いていく。
今回はグロ系に絞ったが、次回は他ジャンルの作品を取り上げる。