2017.07.21
「ドリーム」
<HIDDEN FIGURES>
2016/アメリカ
監督:セオドア・メルフィ
主演:タラジ・P・ヘンソン/オクタヴィア・スペンサー
1961年のNASAが作品舞台。
アメリカ初の有人地球周回軌道<マーキュリー計画>を陰で支えた黒人女性3人の実話である。
この時代、南部では人種分離政策が行われていた。そのような時代背景で黒人女性3人が軌道計算を行う秘術者として働くのであるから、周りからの差別は想像するに難くない。差別には“人種差別”と、“女性が数値計算などできるものか、まして技術者になんて“という2種類の差別だった。
この辺の差別描写はスクリーンで観てもらえばよく分かるだろう。
タイトルのfiguresには、数字・人物などの意味がある。
直訳すると、隠された人物とか数字という意味になるのだが、差別にもめげずマーキュリー計画を陰で支えた3人の黒人女性が軌道計算を扱っていることから、このタイトルには2つの意味が込められているのだろう。
作品中盤で、キャサリンが所長のミッチェルに怒りをぶつけるシーンにはグッとくるものがある。冷静沈着、かつ、頭脳明晰な彼女の怒りだからこそ、彼女の苦悩が痛いほど伝わってくる。
そしてその怒りは、全黒人を代表したものとも言える。彼女の怒りは彼女の個人としての怒りよりもこの時代背景そのものから来ていたと言える。
日本公開は今年9月に決まったようだ。
時間がありこの内容に興味がある方にはお薦めの作品だ。