2018.01.21 

ワンダー」<WONDER> 

 

2017/アメリカ 

監督:スティーブン・チョボウスキー

主演:ジュリア・ロバーツ

   オーウェン・ウィルソン 

 

作品の概要は、トリーチャーコリンズ症候群(顔が変形してしまう病)を持った10歳の少年オーギーが、家族や友人に支えられ心豊かに成長していく様を綴った物語だ。 

 

10歳にして始めて学校に行き、そこで受ける偏見は彼の心を傷つけるが、彼を受け入れる友人も次第にできていく。監督はこの作品のラストで、彼にとり家族にとり友人にとり、もっとも嬉しいできごとを用意した。もちろん僕もその喜びの瞬間を同時に享受し拍手を送った。

 

 

オーギーには高校生の姉がいるのだが、彼女は弟ばかりを気にかける両親に心寂しい思いをしている。彼女もまた学校生活で嫌な思いをしているが、両親には打ち明けていない。そんな彼女に心優しい友人ができ、ついには、彼女にとって最高に幸せな瞬間が訪れる。またここで僕は拍手を贈った。

  この作品は全世界で600万部を売り上げた小説が映画化されたものなのだが、ここまでの作品に仕上がったのは、もちろん小説があったからこそではあるのだが、映像化に関しては、スティーブン・チョボスキー監督の感性が十分発揮されたことが大きな要因だろう。

 監督は「ウォールフラワー」<THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER>で人々の心の奥底にある喜びや悲しみ、虚無感を繊細に描写していた。また、脚本はLIFE!/ライフ』『幸せのちから』のスティーブン・コンラッドのため、この作品には“人生簡単に諦めるな・負けるな・突き進め“的な匂いがいたるところに漂っていた。この脚本によりさらに力強いヒューマンドラマが完成したと言っていいだろう。 

 

*トリーチャー・コリンズ症候群(Wikipedia参照) 

頬骨の欠如等の顎顔面形態の不調和が特徴的な症状として見られる疾患で、常染色体優性先天性疾患の中でも稀有な例の一つである。別名トリーチャー・コリンズ・フランチェスケッティ症候群や下顎顔面異骨症ともいう。平均して10,000人あたり1人の新生児に見られ、多くのケースでは遺伝子疾患が指摘されている。この疾患により現れる症状の典型として、下に垂れ下がった目、下顎短小症、伝音難聴、頬骨の不形成、下眼瞼側面下垂、耳の奇形化または不形成が見られる。 

 

 

「ウォールフラワー」

 

THE PERKS OF BEING A WALLFLOWER

2012/アメリカ 

 

<作品概要 amazonより> 

 チャーリー(ローガン・ラーマン)は、小説家志望の16歳。入学初日にスクールカースト最下層に位置付けられた高校では、ひっそりと息を潜めてやり過ごすことに注力していた。ところが、そんな彼の生活は、周囲の学生たちとは関係のない“特別席"で、眩しいほどに輝いていた、陽気でクレイジーなパトリック(エズラ・ミラー)、美しく奔放なサム(エマ・ワトソン)兄妹との出逢いにより、一変する。

 

 初めて知る友情"、そして"世界は無限に広がっていくように思えた。だが、チャーリーがひた隠しにする、過去のある事件をきっかけに、彼らの青春の日々は思わぬ方向へと転がり始める―。 

  

 LIFE!/ライフ」

 

THE SECRET LIFE OF WALTER MITTY

2013/アメリカ

 

<作品概要 amazonより> 

地下鉄に乗って雑誌「LIFE」の写真管理部に通勤しているウォルターは、何ひとつ変わりばえのない日々を繰り返している。彼の唯一の趣味は、虚しい現実から逃避して突飛な空想に浸ること。ある日、ライフ誌最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがないことに気づいた彼は、一大決心をしてカメラマンを探す旅に出発する。そのありえないほど波瀾万丈の冒険の道のりは、彼の人生を一変させていくのだった……

 

 

 

「幸せのちから」

 

THE PURSUIT OF HAPPYNESS

2006/アメリカ

 

<作品概要 amazonより> 

1980年代。妻と5歳の息子と3人で暮らしていたセールスマンのクリス・ガードナーは家賃も払えず、どん底の生活を送っていた。ついには、妻が出て行き、家を追い出され、預金も底をついてしまう。そんなクリスが最後に選んだ道は自分の才能を信じて、一流証券会社へ入社することだった。しかし6ヶ月無給のインターンを経て、正式採用されるのはただ一人。愛する息子のため、奇跡を信じてクリスの過酷な戦いの日々が始まった。