2091.12.31

「長いお別れ」
 

2019/日本 

貫禄:中野量太 

主演:山崎勉・蒼井優・竹内結子   

 

<概略 amazon> 

父、昇平(山﨑努)70歳の誕生日会。久しぶりに集まった娘たちに母:曜子(松原智恵子)から告げられたのは、中学校校長も務めた厳格な父が認知症になったという事実だった。 

夢も恋愛もうまくいかず、思い悩んでいる次女:芙美(蒼井優)と、夫の転勤で息子とアメリカに移り住み、慣れない生活に戸惑っている長女:麻里(竹内結子)は、父が巻き起こす思いもよらない出来事の連続に驚きながらも、変わらない愛情に触れ、少しずつ前に進んでいく。 

ゆっくり記憶を失っていく父との7年間の末に、家族が選んだ新しい未来とは

  

誰もが患う可能性のある認知症、他人ごとではない。様々な記憶が消えていく描写はリアルだ。 

問題に突き当たった娘たちが、理解してもらえないだろうと思いながらも認知症になった父に語り掛け相談するシーンがある。グッときた。機能低下が進んでいる脳でさえも、父親が娘を想う気持ちまでは奪っていなかった。孫とのシーンもしかりで、いい描写だった。

 

緩やかに、時には急激に進行することのある認知症。家族の負担と悲しみは計り知れない。それでも家族というチームで歩んでいく。

実際の厳しい大変な看護は、この作品では多く描かれていなかったが、家族という強いチームワークがユーモアを織り交ぜながら描かれている好感の持てる作品になっていた。