2020.01.12

 

22年目の記憶

MY DICTATOR

2014/韓国

監督:イ・ヘジュン

 

主演:ソル・ギョング/パク・ヘイル

<概要 amazon

1972年、韓国と北朝鮮との間で南北共同声明が発表される。統一ムードが高まるなか、初の南北首脳会談に向け、韓国では北朝鮮の最高指導者・金日成の代役オーディションが秘密裏に行われた。オーディションに受かった売れない役者ソングンは、いつしか自分を金日成だと信じ込んでしまう。22年後の1994年、ある理由からそんなソングンと、彼に振り回されてきた息子テシクの同居生活が始まる…。

 

 突然、韓国政府に拉致され金日成に成り切ることを強要された主人公は、限りなく本物に近づく。政府の計画が実現するには20年以上の歳月が必要だったが、老人ホームに入っていた主人公の元に再び政府が現れ、主人公にある任務を命じる。

 このような背景と同時に、主人公の息子と息子を慕う女性との生活も描かれるのだが、この二人の描写により、最後のシーンが非常に生き生きと、そして、和やかなものになっていた。また、ろくでもない息子が父のある姿を見て、それまでの父の奇妙な行動理由を初めて、真に理解する官邸での親子の絆描写にはグッとさせられ、強く印象に残る素晴らしいシーンのひとつとなった。