2020.04.05

 

KESARI/ケサリ 21人の勇者たち

KESARI

 

2019/インド

監督:アヌラグ・シン 

主演:アクシャイ・クマール/パリニーティ・チョープラー

 

<概要 amazon

1897年、イギリス領のインド北部には、辺境部族を警戒する砦が築かれ、英国軍とシク教徒兵が警備していた。下士官イシャル・シンは、英国人将校の命令を無視して部族の女性を救ったことで、僻地にあるサラガリ砦の司令官を命じられる。そこには実戦経験の乏しいシク教徒兵20人が配属されていた。部隊を鍛え直すイシャルだが、その頃1万人に及ぶ部族連合が一斉攻撃を企てていた…!

 

 実話であるこの作品の主人公イシャルは、まさに人格者だ。彼がいたからこそこの戦いが伝説になった。

 当時インドはイギリスの統治下にあり、イギリス人はインド人を卑下しており戦場においてもそれは変わらなかった。そのような状況下で20人の部下たちが結束できたのは、人格者の徳によるところが大きいと言える。史実では、このような上官が度々登場する。

 作品の中で、“私たちインド人はイギリス人の奴隷ではない”と言う台詞があるのだが、まさに彼のど真ん中の信条であり、インド人であることへの強い誇りと気概が表された一言だった。

 戦闘時間に比例し命を落としていく部下が増えていくのだが、それでも誰一人士気を落とさず戦い抜く。そのような状況下での戦場描写に胸が熱くなるのを感じた。

 

 戦争映画で多勢に無勢、かつ、実話を基にしている秀逸の作品には、「13時間 ベンガジの秘密の兵士」「ローンサバイバー」「ブラックホーク・ダウン」「硫黄島からの手紙」「フューリー」等、数多くあるのだが、KESARIも間違いなく名作のひとつに数えられる作品だ。