2020.05.17

 

バジュランギおじさんと、小さな迷子

BAJRANGI BHAIJAAN

2015/インド

監督:カビール・カーン 

主演:サルマーン・カーン

 

<概要 amazon

パキスタンに住む、幼い頃から声が出せない障害を持つ女の子シャヒーダー。お母さんと一緒にインドのイスラム寺院に願掛けに行くが、帰り道で一人インドに取り残されてしまう。そんなシャヒーダーが出会ったのは、ヒンドゥー教の熱烈な信者パワン。ひょんなことから彼女がパキスタンのイスラム教徒と分かる。歴史、宗教、経済など様々な部分で激しく対立するインドとパキスタン。無事に母親の元に送り届けることができるのか…?

 

 久々に◎のインド作品に出会った。インド映画で◎は「きっと、うまくいく」以来になる。

 この作品は僕の好きなロードムービーで、きれいな心の主人公が、無垢な心の少女を助けるという非常にシンプルなお話になっている。ロードムービーのセオリー通り、行く先々で様々なことに遭遇し、様々な人々に出会いながら、やっとの思いで目的地に到達する。

 インドとパキスタンは犬猿の仲ではあるが、人が人を思いやる気持ちに国境はない、というメッセージ、ともすると絵空事になるようなテーマをロードムービーの手法でうまく表現していた。 

 

 159分と長い作品だったにも関わらず、時間はあっという間に過ぎた印象だ。複数のよく練られたエピソードが、僕の時間の感覚を麻痺させたのだろう。