2024.0205

オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―

OPERATION MINCEMEAT

 

2021・アメリカ

監督:ジョン・マッデン

主演:コリン・ファース

                                                                                                        

<概要 amazon prime

1943年、打倒ナチスに燃えるイギリス軍はドイツ軍の防備に固められたイタリア・シチリア島を攻略する計画を立てていた。そこで英国諜報部のモンタギュー少佐、チャムリー大尉、イアン・フレミング少佐らが練り上げたのが、欺瞞作戦“オペレーション・ミンスミート”だ。“イギリス軍のギリシャ上陸計画”を示す偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラーを騙そうとする奇策だ。彼らは秘かに入手した死体を名付け、100%嘘のプロフィールをでっち上げていく。こうしてヨーロッパ各国の二重三重スパイたちを巻き込む、一大騙し合い作戦が始まるが--

 

実際に行われた作戦の映画化なのだが、こんな無鉄砲とも思える作戦が行われたとは。

時の首相であるチャーチルは、部下が躊躇するこの作戦を承認した。この決断が連合国軍の勝利を導いたことは事実である。

ひとつの嘘を信じ込ませるために架空の人物をでっち上げ、その人物の軌跡を創造していくというディティールは、まるでアメリカTVドラマの「スパイ大作戦」だ。と言うよりは、スパイ大作戦が後付けか。いずれにしても、裏の裏を読むというスパイものはやはり面白い。

中央公論新社が「ナチを欺いた死体 - 英国の奇策・ミンスミート作戦の真実」を出版しているようなので読んでみたいと思う。

 

Mincemeatの意味を調べたら、「細切れ肉、ひき肉」とあった。

make mincemeat ofの表現になると、

「~を細かく切り刻む、~をばらばらに引き裂く、~をめちゃめちゃにする」とあり、アメリカの俗語では、次の意味として使われるようだ。

〈米俗〉〔人を〕こてんぱんに[散々に]やっつける

〈米俗〉厳しく批判する

〈米俗〉〔議論などで〕(人)を徹底的にやっつける

 

この俗語が、この作戦の意図として命名されたのだろうと推測するが、今度、知り合いのアメリカ人に聞いてみようと思う。