2024.03.03
「ロード・インフェルノ」
<BUMPERKLEEF>
2019・オランダ
監督:ルドウィック・クラインス
主演:ユルン・スピッツエンベルハー
クラクションを鳴らした相手が完全に危ない奴だった、という作品。
物静かで、一見紳士らしく振舞う危ないこの男を観て、「ノーカントリー」で殺し屋を演じたハビエル・バルデムを連想した。殺し屋はおかっぱ頭だったので、顔の話ではない。とにかく気にくわなければ殺してしまう。また、圧縮空気で家畜を処理する道具を人の額に当て引き金を引き殺してしまう。つまり、人間は家畜と同じと思っているような殺し屋。
一方、危ない奴は、殺虫剤のような人間には使用していけない散布物を圧縮機に詰め、なんの躊躇もなく大量噴射するようなとんでもないこサイコだった。
クラクションを鳴らし煽った父親であり夫であるハンスがまったくもってダメ男であった。本来であれば、危ない奴にやられたことに対し同情するのだが、その気にはなれないほどどうしようもない男だった。ちなみに、奥さんにもあまり同情はできなかった。性格描写では、マイナス点が多々見受けられる人物像だったことが理由だ。ただし、子供たちには気の毒な出来事だった。
2020年に制作された「アオラレ」では、危ない奴をラッセル・クロウが演じていたが、この男も怖かった。文句を言う人、関係ない人にさえも暴力を振るう。この作品でも、最初にクラクションを鳴らした女性は、性格的にマイナス点を抱えた女性だったので子供には同情するが彼女に最初は同情できなかった。しかし、さすがに危ない奴の執着心による暴挙の異常さが度を越していたため、途中からかわいそうになった。