2007年3月25日

 

 この日の空は白く厚い雲に覆われており、途切れ途切れに雨が落ちる。風も冷たく肌寒い。だが、友人とのゴルフは十分堪能することができた。やはり自然の中でのプレーはいい。小さなボールを狙い通りにうまく運べたときの快感はいうまでもない。また、友人たちとのたわいもない自然の中での会話は、夜の居酒屋とは違い健全でもある。こんな環境の中にいると、時間が経つのも忘れてしまうほどだ。
 こんな書き出しを考えていたのだが、朝から雨脚は強く結局キャンセルせざるをえなかったので、その日は日曜大工をして過ごすこととなった。
 
 

 

 

 

 

 これまで僕はゴルフを題材にした作品を4作ほど観ている。

俺は飛ばし屋 プロゴルファー・ギル」<HAPPY GILMORE>

1996/アメリカ 

監督:デニス・デューガン 主演: アダム・サンドラー/クリストファー・マクドナルド

 

「ティンカップ」<TIN CUP>

1996/アメリカ 

監督:ロン・シェルトン 

主演:ケヴィン・コスナー/レネ・ルッソ)

 

「バガー・ヴァンスの伝説」<THE LEGEND OF BAGGER VANCE>

2000/アメリカ 

監督:ロバート・レッドフォード 

主演:ジャック・レモン/ウィル・スミス/マット・デイモン/シャーリーズ・セロン

 

いずれの作品も評価は○だった。

 

実話である

グレイテスト・ゲーム」<Greatest Game>

(2005/アメリカ 

監督:ビル・パクストン 

主演:シア・ラブーフ/スティーヴン・ディレイン

 

も、他の3作品同様、ゴルフをしない人でも観て楽しめる作品だろう。
 作品舞台は1913年のアメリカ。当時は上流階級と労働者階級との身分差別が色濃い時代だ。 労働者階級に属する主人公フランシス・ウィメットの家庭は貧しい。家計を助けるために彼はゴルフ場でキャディーをしていた。あることがきっかけとなり、彼の全米オープン出場が決まる。結果として、彼は強豪たちのプロを退けてアマチュアとして初の栄冠を手にする。
 ゴルフの試合もさることながら、この作品のよさはフランシスを軸に据えた他の登場人物の魅力にあるともいえる。イギリスの名選手であるハリーバートンのスポーツマンシップやフランシスのキャディーを勤めることになる少年の独特なユーモア。そして息子に対しぎこちないがこの上ない愛情を注ぐ不器用な父とその父子を見守る優しい母などなど。
 結果として、フランシスは全米オープンに優勝することになる。それを成しえたのは、もちろん彼自身が逆境にめげることなく自分自身に打ち勝つことができたからだ。しかし同時に、彼を支えてくれた人たちがいたことも大きな要因だった。それらの描写があったからこそ、さらにこの作品価値が高まる結果となったといえる。
 ちなみにこの実在した人物フランシスは、翌年の1914年と1931年の全米アマチュア選手権でも優勝している。生涯アマチュアとしてゴルフを愛した人だった。
 

 ところで、全米オープン(United States Open Golf Tournament)の歴史は古く1895年に第1回大会が開催されている。大会初期の16年間の優勝者はイギリス人が独占していたが、1911年、19歳のJ.マクダーモットがアメリカ人として初優勝を遂げ翌年も優勝する。そして、映画の舞台である1913年、20才のフランシスがイギリスのハリーバートンとテッドレイをプレーオフの末破り優勝。ここから強いアメリカの時代に突入することとなる。
 全米オープンに予選無しで参加できるプレヤーは80名で、予選会から参加するプレヤーは85名と決められている。毎年参加人数は増えており2000年には8455人が参加している。2007年6月16日は、107回目の全米オープン最終日だ。はたして今年はどの選手が激戦を制するのだろうか。今から楽しみだ。