2014年5月9日

 

センチメンタル・アドベンチャー

<HONKYTONK MAN>

1982/アメリカ 
監督:クリント・イーストウッド
主演:クリント・イーストウッド/カイル・イーストウッド

 

この作品は、僕の好きなジャンルであるロードムービーだ。
32年前の作品ではあるが十分楽しむことができた。ただこの邦題はいただけない。


舞台は世界恐慌時代のアメリカ。
酒とタバコ中毒のカントリーシンガーのレッドは、歌のオーディションを受けるため、カリフォルニアからオクラホマ、そしてナッシュビルに向かう。
オーディションを受けるものの、結核が原因でその最中に咳込んでしまい退場を余儀なくされる。
しかし、あるレコード会社がレッドの歌声を聴き、レコーディングの契約を持ちかけ、レッドは咳を抑えなんとか歌いきるのだが、数日後、亡くなってしまう。

 

これが話の起・結になる。


この話を美味にするために、甥のホイット、ホイットの祖父、鶏泥棒、売春宿、牢屋からの脱出、借金の取り立て、偽装強盗、少女の登場などが加わり、承・転となる。

そして、ホイットはレッドとの旅を通し、人の優しさや哀れ、人生の厳しさを学んでいく。

 

ロードムービーとしては、実に直球的な内容でひねりがない。ひねりがないからこそ、主人公2人が自然にフォーカスされてくる。
人物にフォーカスしたことで、作品はより一層、哀愁漂うものに仕上がっている。
また、クリント・イーストウッドらしく、シリアスとユーモア、希望と絶望が混在した、観客を飽きさせないサービス精神旺盛な作品でもあった。