2008年5月10日

 昨年、アメリカTVシリーズをまとめて観ていたが、今年にはいりついに、「アリー・myラブ」の最終シーズンを観終えてしまった。1stシーズンから5thシーズンまでのビデオ本数は56本になる。番組はとっくに終了しているので、5thシーズンをもって見納めとなった。連続し観てしまうと、やはり登場人物に愛着もわいてくる。もうこのシーズンで終わりかと思うと寂しい気もするのだが、視聴率が取れなくなれば番組打ち切りは仕方のないことというのが、エンターテイメントビジネスの宿命だ。
 ビデオには2話収録されているので112本の物語を見たことになるのだが、つまらない話もなかにはあったが、全体を通してみれば楽しめた作品だった。コメディータッチではあるが、ときには家族の葛藤や人間の孤独などシリアスなテーマを扱っていた。それらのテーマが描かれていたことが、僕にとっては大きな魅力のひとつだった。また、登場する特別ゲストに会えることも楽しみのひとつだった。
 112ある物語の中でも、5thシーズン第100話の「100粒の涙」<One hundred tears>という、子供のころから空を飛ぶことを夢見ていた男性の物語は、心に残るものがあった。その男性の背景にある、あることを知った瞬間から、この物語はただの愚かな男の物語から、人間の尊厳や家族への愛というテーマに変わっていく。人が何かにこだわるには、かならずそれぞれの理由があることはもっともなことではあるのだが、現実的にはこのような物語はありそうでない。つまり、脚本がすばらしかったということになるのだろう。


 今年にはいり「ERXII」を観たが、変わらずスピード感あり、ドラマありで堪能したが、15thシーズンをもって打ち切りとなる。この作品との付き合いは今年で12年になる。あと3シーズン分で終了するのかという残念な想いはアリーよりも強い。そもそも病院が舞台であることから、生と死が必然的にテーマとして顔を出す。それぞれの患者が直面する問題は、現実的であり重く苦しい。
 ERでは社会制度に起因したトピックとして医療保険の話はたびたび登場する。また、医療ミス、医療訴訟、DVや親による児童虐待、銃創、未成年の妊娠やAIDSなど、さまざまな社会問題が題材とされている。作品を観ることは自ずとそれらの問題に対しての認識と理解を深めることになり、さらには熟考を要求される。この深さが、僕がこれまで観続けてきた最大の理由だった。しかし、この楽しみかたのできる作品もまもなく終了する。


 「グレイズ・アナトミー」は初回だけ観てみたが、それ以降はレンタルしていないため、なんともいえないのだが、ERが観られなってしまうため、諸問題について考えさせられるようなほかのシリーズものをキープしておきたいので、いずれどこかで、「グレイズ・アナトミー」をまとめてレンタルするつもりではいる。