2007年6月22日
ジェニファー・ロペス、アリッサ・ミラノそれぞれが主演の
「エンジェル・アイズ」<ANGEL EYES>(2001/アメリカ 監督:ルイス・マンドーキ)
と「ヒューゴ・プール」<HUGO POOL>(1996/アメリカ 監督:ロバート・ダウニー)
を続けて観た。どちらの作品もふたりの魅力が満載されている。
ジェニファー・ロペスの主演作品は恋愛系がほとんどで、作品の中における役柄の変遷はだいたい一致している。起承部分では、相手や周囲の環境を優先してしまうが故、ストレートな自分の思いをなかなか伝えられないという、男性から見るといとおしくも愛らしくそしてくるおしい女性を演じる。転結部分では、そんな彼女の真の優しさや深い愛に相手が気づくことで、彼女は内面的な女性から、自らの抑圧を解放し素直な感情を表現していく精神の自由を得た女性として描かれる。
今回観た「エンジェル・アイズ」もほぼ既述のような役柄だった。この作品は、ちゃらちゃらした恋愛ものではい。心にある苦しみを抱えた男性とやはり癒えることのない心の傷を抱えている女性との話である。内容が軽くないだけに、お気軽なハッピーエンドにはしてほしくなかった。結果としては、彼らの抱える複雑な現実から導き出される結末までの台詞を含めた描写に不満はない。作品自体、その状況であれば、そうなるであろうなと思える展開になっていたため、自然と真摯な気持ちで観ることができたのはもちろん、納得のできる作品となった。
アリッサ・ミラノ主演の「ヒューゴ・プール」もすっと胸に落ちた作品だった。アリッサ・ミラノを軸にしたある1日のできごとが心地よく描かれている。
登場人物には、すでに離婚した父と母、青い靴を履く不詳の男性、ADSLの男性患者、そして自宅に放火してしまうような変質的素地をもつ男性などがいる。この作品での彼女は素直で天真爛漫な女性として描写されている。相手が誰であろうが人を斜めから見ることなく、優しさをもって理解しようとする彼女の役柄と演技が、僕にこの作品を○の評価にさせた。
彼女の役柄としての変遷は、守ってあげないとこわれてしまいそうなナイーブで愛らしい女性を演じた初期の作品後、次第にセクシー路線が増えていく。「ヒューゴ・プール」は1996年の作品で、これ以降の彼女の作品は観ていないので、今現在どのような役柄が多いのかはわからないのだが、「ヒューゴ・プール」に関していえば、人を素直に愛することのできる素敵でしっかりとした大人の女性として描かれており、可愛らしさだけが強調されていた頃とはまったく違う。とはいえ、この作品でもキュートでセクシーな女性であることに変わりはない。
キャリスタ・フロックハートについて触れておく。「ジェーンに夢中」<Jane Doe>(1998/アメリカ 監督:ポール・ペディット)という作品を観た理由は、主演が「アリーMy Love」の主演女優キャリスタ・フロックハートだったからだ。今回は作品内容で観たのではなく、彼女が主演として登場している作品として観た。
「アリーMy Love」での彼女は、大都会の中でがんばって生きる女性を演じていた。悲しいことや辛いことに直面しながら、それでも負けることなく、ともすれば精一杯の背伸びをしながらも、ユーモアのセンスを忘れずに、ひたむきに努力する姿がそこにはあった(そんな彼女の姿勢に共感し「アリーMy
Love」のビデオ全巻を揃えてしまった)。
型にはまった役柄から抜け出し、女優としての幅を広げようと試みて(あくまでも推測ではあるが)大失敗したと僕が思ったのがこの「ジェーンに夢中」だった。
主人公の役柄はアリーと180度正反対。退廃的で現実逃避しかできない女性を演じていた。彼女のアリーとしてのイメージがあまりにも大きすぎたため、結果として僕の作品評価はxとなった。幅を広げるのはいいのだが、あまりにも舵の切り方が極端で、かえって今後のマイナスイメージが気になる作品となってしまった。
ところで、「ジェーンに夢中」の邦訳も内容からすれば完全に不釣合いだろう。「ジュエルに気をつけろ!」「メリーに首ったけ」「ギリーは首ったけ」のように邦題の最初に女性の名前がつくと、イメージとしてはお気軽作品だと思ってしまう。だが、「ジェーンに夢中」はお気軽な作品ではなく、大都会のひずみである社会的問題の麻薬中毒をテーマとして扱っている。しかも、原題は「Jane
Doe」。意味は「名前がわからない人/身元不明人(死体)」だ(男性の場合は「John Doe」)。
キャリスタ・フロックハートについては、アリーのイメージを残したうえで場面設定を変えた作品からやはりスタートして欲しかった(彼女の主演作品を他に観ていないので、すでに実現されているかもしれないが) 。
ジェニファー・ロペス
ウエディング宣言(2005)
アンフィニッシュ・ライフ(2005)
世界で一番パパが好き!(2004)
Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004)
ジーリ(2003)/イナフ(2002)
メイド・イン・マンハッタン(2002)
ウェディング・プランナー(2001)
エンジェル・アイズ(2001)
ザ・セル(2000)
アウト・オブ・サイト(1998)
アンツ (1998)
アナコンダ(1997)
Uターン(1997)
セレナ(1997)
ジャック(1996)
ブラッド&ワイン(1996)
マネートレイン(1995)
ミ・ファミリア(1995)
マイ・リトル・ガール(1986)
アリッサ・ミラノ
ディッキー・ロバーツ 俺は元子役スター(2003)
アンラッキー、ハッピー(2002)
わんわん物語 II(2000)
チャームド~魔女3姉妹(1998~2006)
アリッサ・ミラノのゴールドラッシュ(1998)
アリッサ・ミラノの 堕落の園(1997)
スピン・シティ(1996~2002)
悪魔の恋人 (1996)
ブリザード(1996)
ヒューゴ・プール(1996)
ポイズン・ボディ(1995)
ボディヒート2 挑発(1995)
子宮の蠢き(1995)
FBIファイル第一級指定 パブリック・エネミー(1995)
グローリー・デイズ~旅立ちの日~(1995)
レディ・ヴァンパイア 淫夢伝説(1994)
ダブルドラゴン(1994)
ルームメイツ(1994)
デッド・ライン 完全犯罪(1993)
メルローズ・プレイス (1992~1999)
ハートブレイク・タウン(1992)
アリッサ・ミラノ 言いだせなくて(1991)
アリッサ・ミラノの 朝まで踊ろう(1989)
キャノンボール 新しき挑戦者たち(1989)
ドライビング・アカデミー(1987)
カンターヴィル・ゴースト(1986)
コマンドー(1985)
オールド・イナフ/としごろ(1983)
キャリスタ・フロックハート
機械じかけの小児病棟(2005)
ラスト・ショット(2004)
アリー・myラブ5(2001~2002)
アリー・myラブ4(2000~2001)
アリー・myラブ3(1999~2000)
真夏の夜の夢(1999)
ジェーンに夢中!(1999)
彼女を見ればわかること(1999)
アリー・myラブ2(1998~1999)
ザ・プラクティス ボストン弁護士ファイル(1997~2004)
アリー・myラブ1 (1997~1998)
17 セブンティーン (1997)
バードケージ(1996)
キル・ミー・テンダー(1994)
クイズ・ショウ(1994)
告発弁護人(1991)