2013年6月22日
「インポッシブル」<THE IMPOSSIBLE>
2012/アメリカ・スペイン
監督:J・A・バヨナ
主演:ナオミ・ワッツ/ユアン・マクレガー/トム・ホランド
の試写会に当選し観に行く予定だったが都合がつかず、出張先のタイで鑑賞した。
<ストーリー 公式式サイトより>
【2004年12月、マリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)の夫婦は3人の息子を連れタイへバカンスに出かけ、リゾートを楽しんでいた。しかしクリスマスの翌日、突如大災害に見舞われる。
楽しい思い出になるはずの場所が一転、悲惨な状況に変貌したのだ。
そんな中、離ればなれになった家族は、必ず再会できると信じ、それぞれの一歩を踏み出し始める。】
この作品は、スマトラ島沖地震による大津波で被災したあるヨーロッパ人家族が体験した実話を基に制作されている。
幸いにしてこの家族は生き延びることができたが、そうでない方たちのことを考えると、やはりつらい。
家族5人全員が無事だとわかった瞬間でも、観客の誰一人表情を緩めることはなかった。
硬い表情は、最後まで続いていた。
全編にわたり映画館に漂う鈍重のような空気は、生還できなかった人たちが大勢いたという悲惨な事実を多くの観客たちが知っていたからに他ならない。
鑑賞後、出張先のホテルに戻るや否や、日本でこの作品を観終えていた息子にメールを打った。妻と娘はこの作品を観ていなかったが、CCでメッセージを伝えた。
「帰国したら、近所のお店にみんなでなにか食べに行こう」
息子から、すぐに「賛成」の返信が帰ってきた。
この作品を観た多くの人たちは、僕たち親子が抱いたのと同じような思いにかられたのではないだろうか。
自然災害の到来を完璧に予想することは難しい。
突然災害に見舞われ、自分が、家族が、友人知人が被災する可能性を誰もが否定できない。
そんな現実の非情さを改めて突きつけられた作品だった。