2010年6月26日

 

 

 またまたいい感じのロードムービーに出会えた。

サン・ジャックへの道<SAINT-JACQUES... LA MECQUE>

2005/アメリカ

監督:コリーヌ・セロー 

主演:ミュリエル・ロバン/アルチュス・ドゥ・パンゲルン

 

概要

母親の遺産相続の条件である聖地巡礼の旅に渋々向かった仲の悪い50歳を越えた3兄弟、その1500kmにも及ぶ巡礼ツアーに参加した訳ありの老若男女たち。2ヵ月にわたる共同生活を通し、それぞれの人たちの心には、ゆっくりではあるがお互いを思いやる気持ちが芽生えていく。ユーモアとペーソスが絶妙なロードムービーで、それぞれ関係のない参加者たちが個々人の抱えている問題を理解し、家族のようにまとまっていく様がとても自然に描かれている)

アメージング・ハイウェイ60<INTERSTATE 60: EPISODES OF THE ROAD>

2002/アメリカ 

監督:ボブ・ゲイル ジェームズ・マースデン 

 

概要

23歳のニールは、釈然としないながらも、父親に逆らわない従順な息子を演じてきた。しかし、あることにより過去と現在と未来が混在する不思議なハイウェイを旅することになる。そこで起きるできごとや出会う人々たちを通じ、やがてニールは自分の進むべき道を見つけ歩むことを決心する、という典型的な自分探しのロードムービーで、主人公のニールには非常に好感が持てた。この手の作品ではオチも重要な要素だが、この作品でもそのオチは、当然のごとくある伏線からきている。文句のないオチで、ああ、よかった!と、まんまと監督の意図にはまってしった)

Born to be ワイルド」<WILD AMERICA>

1997/アメリカ 

監督:ウィリアム・ディア 

主演:ジョナサン・テイラー・トーマス/デヴォン・サワ 

 

概要

5才の末息子をはじめとする3人の息子たちへの愛情をうまく言葉で伝えられない不器用で実直な飛行機整備士の父。そんな夫と息子たちのよき理解者である母。この5人の家族の物語が、絶滅寸前の野生動物の姿を16ミリカメラに収めることを目的にした3人の兄弟たちによって繰り広げられる冒険旅行を軸にして描かれている。純粋なロードムービーの定義からは外れるが、あえて言うならば、ファミリー向けアドベンチャーロードムービーと言える)

 ロードムービーのテーマで以前もコラムを書いたが、僕の評価ではこの分野に○が多い。ロードムービーの大方の設定は、主人公がなにかをきっかけに旅をすることになる。旅のはじめは一人だが、行く先々で多くの仲間に出会い友情や信頼を育むことで、主人公は何かに気づき成長し人生の再出発を果たす、というものだ。今回取り上げた作品も、まさにセオリー通りだった。これまで僕が観た作品の中で、このセオリーが通らなかったのは「イントゥ・ザ・ワイルド」を含め数本に過ぎない。逆に言えば、人生の再出発が保障され描かれているのが通常のロードムービーともいえる。再出発するまでにはさまざまなできごとが起こるのだが、そこには映画の数と同じだけ再出発する多くの主人公がいる。その彼らによる千差万別のさまざまな再出発が、僕をロードムービーにひきつける。

 

 さて今回は、「Born to be ワイルド」を取り上げたので、そのついでにIUCN(国際自然保護連合)発表の2009年版「レッドリスト」を覗いてみる。
 それによると、評価対象となった4万7,677種の野生生物のうち、1万7,291種が絶滅のおそれのある種としてリストアップされている。
 評価の対象となった哺乳類のうち21%、両生類の30%、鳥類の12%、爬虫類の28%、淡水魚の37%、植物の70%、昆虫や貝などの無脊椎動物のうち35%が、絶滅の危機にある。
 絶滅の度合いは近絶滅種、絶滅危惧種、危急種の3種類に分けられている。今回発表された全ての合計種数17,2911の内訳は下記のとおり。

動物計 8,782
(哺乳類1,142/鳥類 1,223/爬虫類469 /両生類1,895/魚類 1,414/無脊椎動物 2,639)
植物計 8,500
その他計 9

 これまでに存在が知られている生物の全種数は、およそ数万種。そのうち哺乳類は5,490種、鳥類は9,998種。上記のように哺乳類、鳥類は、分類群全体の14%を占めている。いかに危機に瀕しているかがこの数字からもわかる。
 ちなみに、2007年10月現在の環境省による日本のレッドリスト掲載種数の合計は1584種となっている。また、環境省は 国内希少動植物の指定を行なっているが、その対象は下記の通りで82種になる。

 

<哺乳類>
ダイトウオオコウモリ/オガサワラオオコウモリ/アマミノクロウサギ/ツシマヤマネコ/イリオモテヤマネコ
<爬虫類>
キクザトサワヘビ
<両生類>
アベンサンショウウオ
<魚類(淡水魚)>
ミヤコタナゴ/イタセンバラ/スイゲンゼニタナゴ/アユモドキ
<昆虫類>
オガサワラハンミョウ/ヤシャゲンゴロウ/ヤンバルテナガコガネ/イシガキニイニイ/オガサワラシジミ/ゴイシツバメシジミ/オガサワラトンボ/オガサワラアオイトトンボ/ハナダカトンボ
/ベッコウトンボ
<植物>
ヒメタニワタリ/コヘラナレン/アマミデンダ/ムニンツツジ/ヤドリコケモモ/シマカコソウ
/ムニンノボタン/アサヒエビネ/ホシツルラン/チョウセンキバナアツモリソウ/ホテイアツモリ/レブンアツモリソウ/アツモリソウ/オキナワセッコク/コゴメキノエラン/シマホザキラン
/クニガミトンボソウ/タイヨウフウトウカズラ/コバトベラ/ハナシノブ/キタダケソウ/ウチダシクロキ/ウラジロコムラサキ

ところで、ツチノコの正体があれやこれやといわれているが、本当はなんなのだろうか?