2011年7月27日

 

2ヶ月前のコラムでお気に入り作品70ジャンルのことを書いたが、今回は「学園・教育」ジャンルに追加する2作品に触れるが、下記は5月の時点で選んだ作品になる。

「25年目のキス」「ウエイヴ」「コーラス」「ジャック」「スクールウォーズ」
「タイム・リミットは午後3時」「デンジャラス・マインド 卒業の日まで」「どんな時も」
「ミュージック・オブ・ハート」「ミルコのひかり」「モナリザ・スマイル」「陽のあたる教室」
「奇跡の人」「初恋のきた道」「しあわせの隠れ場所」「いまを生きる」
「スクール・オブ・ロック」「あの空に太陽が」「ウォーク・トゥ・リメンバー」
「最高のともだち」「リトル・ランナー」「いつも心に太陽を」「勇気あるもの」「白い嵐」
「セント・オブ・ウーマン夢の香り」「リジー・マグワイア・ムービー」「綴り字のシーズン」

僕が9歳だったころ」<WHEN I TURNED NINE >
(2004/韓国 監督:ユン・イノ 主演:キム・ソク/イ・セヨン)

 この作品は、韓国で130万部を売り上げたベストセラー『9歳の人生』の映画化作品。
 舞台は70年代の小学校。田舎の小学校にソウルからアメリカ育ちの美少女ウリムが転校してくる。お互いに両思いであることがわからないため、9歳の少女と少年は口をきくたびにケンカになってしまう。少女が再び転校することになってしまうことがわかったその日の夜、少年は思いを伝える。少女が村を去る当日、少年はある贈り物といっしょに手紙を受け取り、少女が心を寄せていたことを知る。
 作品では片目の視力を失っている少年の母へのいたわりや、少年の仲間たちへの友情が、淡い初恋物語を機軸にしノスタルジックに描かれている。
 主人公の少年少女、友人たち、先生、母親、近所のおじさん、おばさんなどの登場人物の配役は、実にぴったりだった。舞台は韓国だが、今から40年前の日本にいる僕の周りの人たちもこんな感じだったことを思い出した。
 僕が9歳の頃は、近所に空き地があり、落ちているトタンや木々を拾い、そこに基地を作って遊んでいた。今でも基地仲間とは居酒屋やゴルフに行っている。
 「20世紀少年」3部作はまだ観ていないのだが、このコラムをきっかけに観て見ようかと思う。

フリーダム・ライターズ」<FREEDOM WRITERS>
(2007/アメリカ 監督:リチャード・ラグラヴェネーズ 主演:ヒラリー・スワンク/パトリック・デンプシー) 

 この作品は同名の全米ベストセラーを基にして製作されている。
 舞台は1994年のロサンジェルス郊外のウィルソン公立高校。かつては優秀な学校だったが、今はその面影はない。そこに理想と情熱を抱いた女性国語教師が着任する。
 彼女が目の当たりにしたのは、クラスにも人種間の対立があることだった。教室は、ラティーノ、アフリカン・アメリカン、アジア系など人種ごとに徒党が組まれている状態で常に緊張が続いている。生徒のほとんどは、貧しい危険な環境で暮らしており、生きることで精一杯な生活を送っていた。
 彼女は、憎しみ合いいがみ合う生徒たちの心を理解するため全員に日記帳を配布する。次第に生徒たちは日記に本音を吐露するようになり、彼らが心の内側で悲鳴を上げていたことを知る。彼女にできることは何か、模索が始まる。前例のない行動とバイタリティで、生徒たちとの距離はやがて縮まっていく。
 着任早々、人種間の対立が招く悲惨な結果を理解してもらうためにホロコーストを例としてあげるのだが、誰もこの言葉や事実を知らなかった。この大きな伏線が作品の後半で生きてくることになり、素晴らしいシーンを作ることになる。

 世の中には、作品のようなバイタリティ溢れる先生は数多くいるに違いないであろうし、そうであってほしいと思っている。個人が努力することは言うまでもないが、学生である人生の前半で、先生からいい刺激を受けることは、生徒たちの後半の人生をより豊かなものに導く可能性があると思っている。
 学校の先生方、モンスターペアレントや個の尊重などと難しい時代ではありますが、バイタリティいっぱいで走り続けてください。