2014年8月10日

 今日、この原作、読んでみようかな、と思った作品がある。


 「砂漠でサーモン・フィッシング

<SALMON FISHING IN THE YEMEN>

2011/イギリ

監督:ラッセ・ハルストレム

主演:ユアン・マクレガー/エミリー・ブラント
   
 <概要 amazon>

【砂漠で鮭釣りがしたい。
  イエメンの大富豪・シャイフのそんなありえない夢の実現を依頼された、釣りだけが取り柄の水産学者・ジョーンズ博士。パートナーとして現れたのは、頭がよく美人だが恋は苦手などこか不器用なコンサルタント・ハリエット。
  バカげた仕事に、不可能! と一蹴したジョーンズ博士だったが、5000万ポンドの予算がつき、英国首相まで首をつっこみ、もう後戻りできない国家プロジェクトに発展してしまう! しかし、シャイフの人柄と真意に魅せられたジョーンズ博士は、次第に本気になっていく。ハリエットとの信頼関係も生まれ、数々の困難に立ち向かっていくのだがー。 

 果たして、マトモな大人ならとっくに諦めるムチャな夢物語の行方は―。】

 

 この作品の原作は、英国のベストセラー『イエメンで鮭釣りを』。
  砂漠地帯に川を作り鮭を放流し遡上させるという、なんともビックで無茶なプロジェクトを話の中心に添えた、非常にユニークな発想に魅せられてしまった。僕が釣り好きであることも大いに関係しているのだが、このようなプロジェクトがあれば、すぐにでも着手したい。
  

 作品では、主人公の水産学者、ジョーンズ博士は、真面目で面白みのない堅物な人物として登場する。このプロジェクトを仕切るコンサルタントのハリエットは、聡明で行動的ではあるが、どことなく寂しげで何かを抱えている。
  映画では映像があるため、この背景を抱えた二人の会話は、二人の表情を見ながら聞くことができる。そのため、結末にいたるまでの二人のそれぞれの変遷していく想いはすんなり理解できる。監督は、あまり多くの言葉に頼らずに、二人の表情をうまく使っていた。
  

 原作を読んでみようかな、と思った理由は、二人の会話がどのようになされているかを知りたくなったからだ。それぞれの想いを直截的に表現することができないキャラクター設定があるため、このハンデをどのような表現、描写で、微妙な二人の想いをそれとなく読者に伝えたのか知りたくなったわけである。
  

 この作品は、タイトルだけで選んだ作品であったため、まったく内容を知らずに観た。恋愛が絡むようなタイトルではなかったため、意外な展開であったが、満足のいくいい作品だった。

 また最初は、このプロジェクトを推進するイエメンの富豪の傲慢さに世の常を見ていたが、彼の真の動機を知ったとたん、彼の評価はまったく別のものとなった。彼の真意を知り、僕は思わず、負けるな!と応援していた。
  

 ストーリー展開、配役、そして後味も、申し分ない作品だったが、個人的にはもう少し釣りのシーンがあってほしかった・・・。