2010年8月27日

 

 始まったと思ったら、あっという間のエンディングと思えるほど、スピード感のある展開と、非常によく練られたシナリ作品である、

 

イーグル・アイ」<EAGLE EYE>

2008/アメリカ 

監督:D・J・カルーソー 

主演:シャイア・ラブーフ/ミシェル・モナハン

 

に僕がサブ見出しをつけるとすれば、"テクノロジー社会が抱える落とし穴"とでもなるだろう。
 
 このお話を、キューブリックが制作した「2001年宇宙の旅」に出てくるHAL9000とオーバーラップさせた人も多いだろう。しかし大きな違いは、舞台が僕たちの暮らしている現代社会であることだ。
 僕らの住む街は、完全にテクノロジーによりコントロールされている。街は、信号や電子看板など電子制御されているもので溢れかえっている。僕がこの作品を楽しめたのは、もし制御する源が意思を持ち、そのテクノロジーを駆使し暴走し始めたら・・・、という発想にではなく、源が電子制御されている多くのもの手足のように使いこなし、目的に向かって怒涛のようなスピードで突き進んでいくところにあった。結末が読みやすい作品であったため、あえて言うならば、スピード感とスリリング感に魅せられたと言うことになる。スピード感とスリリング感が好きな人には、お勧めの作品だ。
 余談だが、10~15年前に僕がタイに住んでいたときの信号機は、警察官が手動で切り替え操作をしていたのを思い出す。舞台がタイだったら、この作品はまったく違った展開になっていただろう。
 

「イーグル・アイ」のスピード感とスリリングという観点から比較してしまうと、トーンダウンするものの、それでも楽しめたのは、

 

ドロップ・ゾーン」<DROP ZONE>

1994/アメリカ 

督:ジョン・バダム 

主演:ウェズリー・スナイプス/ゲイリー・ビューシイ

 

 ウェズリー・スナイプスの作品であるため、もちろんアクションシーン満載。この作品はスカイダイビングがメインアクション。ちなみに、彼の作品はアクションだけが売り物ではなく、もちろん人間ドラマにもなっている。スカイダイバー全員が、この作品に登場するような人たちではないのだろうが、なんとなくスカイダイバーの気質を垣間見ることができた。作品で展開される様々なスカイダイビングは、当然スピード感に溢れており、スカイダイバーたちの友情も熱い。十分○評価に値する作品だった。

 作品では、悪玉の仲間割れで、悪玉スカイダイバーがダイビング中に事故で死んでしまう。スカイダイビングは、パラシュートが開かなければ、即、死に繋がるスポーツだ。
 気になったのでWikipediaを見ると、事故率については総ジャンプ数の把握が困難なため正確な統計がない、とのこと。また、一説には重傷を負う事故が1000回に1件、死亡事故は5万回に1件程度といわれているようだ。米国内での死亡数が年間30名前後で、世界での数値としては年に60名程度の死亡が把握されている、と記されている。
 かつてグランドキャニオンにセスナ機を利用して行ったことがあるのだが、その飛行機の床には30cmx5cmくらいの隙間があいていた。もちろん、その隙間から、遥か下方にある地面が見え、着陸するまで生きた心地がしなったのを覚えている。僕がスカイダイビングをやることはないだろう。