2006年9月9日

 

学生時代の4年間は時間的にも金銭的にも本当に充実し自由だった。アルバイトの収入で全国を旅して歩き、行く先々で25年来の付き合いになろうとしている仲間たちとの出会いもあった。日々の生活では、12箇所の映画館をバイクで梯子した名画座通い、胸がときめいた彼女とのデート、気の合う仲間たちとの居酒屋での激論、塾の生徒たちとのたわいもなく盛り上がったトランプや独創的創造ゲームの数々。自由を謳歌し本気で活動することで、その時代を楽しんでいる自分がそこにいた。

 

「旅するジーンズと16歳の夏」<The  Sisterhood Of The Traveling Pants,「パーフェクト・マン ウソからはじまる運命の恋」<The Perfect Man>の2本は、冒頭に書いたようなことを僕に感じさせた作品だった。

それぞれの主人公たちは自由奔放で元気がある。だが、もちろん悩みだってある。そんなどこにでもいる高校生の女の子たちの物語だ。

 

「旅するジーンズと16歳の夏」:いつもいっしょにいる仲良し高校生4人組が初めて別々に夏を自由に過ごし、いろいろなことを経験しそれぞれが大人の女性へと成長していく物語。傷つくこともあったけどそんな彼女たちを待っていてくれたのは、いつもの仲間たちだった。まさに“青春”っていう感じの作品だった。

女性4人の友情を描いた作品には「ブルークラッシュ」「フォクシーレディ」「ディアフレンズ」があったが、12歳のときの大親友4人が20年ぶりに再会し、子供だった自分たちが素敵な大人になったことをそれぞれが認め合うという、4人の心の成長過程が機微豊かに描かれていた「ディアフレンズ」が僕のお勧めだ。「セント・エルモス・ファイアー」という作品も、友情(4人の物語ではなく男女7人の物語)という観点からいえばとても秀逸な作品だったので、こちらもお勧めだ。

 

「パーフェクト・マン ウソからはじまる運命の恋」:高校生の女の子ホリーの悩みは引越し魔のママ。ママは失恋するたびにかならずその街を離れる。だから、ホリーには親友と呼べる友達も彼もいない。しかし今度は、引っ越した先で親友と呼べるエイミーと出会う。ホリーはこの街に長くいたいが、気になるのはママのこと。そこでホリーは、エイミーのおじさんとママを結び付けようと、エイミー、そして密かにホリーを想っているアダムの3人であることを考え実行に移すのだが、思わぬ結果となってしまい・・・。

結果は今ひとつであったけれども、自由な発想と行動、そしてホリーのひたむきな姿に対する僕の好感度はかなり高い。やはり高校生は突っ走るくらいでないとつまらない。

 

 時間的にも金銭的にも自由だった学生時代が終わると僕は社会人となり就職した。そしてその4年後に、来年で結婚20周年を迎える妻と出合うことになる。

 

次回は、「綴り字のシーズン」<BEE SEASON2005>で感じた、「与える自由」と「与えられる自由」について書いてみたい。