2003年9月25日

 

 前回に続いて今回は男優編だ。取り上げるのは、1954年生まれのデニス・クエイド。

 俳優である兄ランディ・クエイドの影響で高校時代から演劇活動を開始し、ヒューストン大学で演劇を専攻。1975年に映画デビューし、78年の「ジェームズ・ディーンにさよならを」で注目され、以降「ヤング・ゼネレーション」、「ロング・ライダーズ」、「ライトスタッフ」と作品にも恵まれた。「インナー・スペース」「D.O.A.」で共演したメグ・ライアンと結婚し一児をもうけるが、別居生活を経て2000年7月に離婚している。

 

最近観た作品はまさにこのような役どころだった。

 

オールド・ルーキー」<THE ROOKIE>

1992/アメリカ
監督:ジョン・リー・ハンコック
主演:デニス・クエイド/レイチェル・グリフィス

 

 1999年、35歳にしてメジャーデビューを果たした実在の史上最年長ルーキー、ジム・モリスの物語)では、かつてマイナーリーグでプレイしていたが、肩をこわして結局はメジャーをあきらめ、今はテキサスで高校の化学教師をしながら、野球の監督をしている妻とひとりの男の子がいる男を演じている。夢を捨てきれないが、生活は安定し家族にも恵まれている。葛藤を持ったこのような役は、まさにはまり役のような気がする。「オーロラの彼方へ」「ファミリー・ゲーム/双子の天使」でも、優しくて誠実なパパを演じていた。やはり彼には、誠実さを前面に出した役をこれからも演じてほしい。

 

 彼の作品は数多く観ているが、僕の好きな彼のキャラクターを一言でいえば、誠実な人、とでもいえようか。違う表現を使えば、不器用ではあるが、ファミリータイプの優しいパパ、ともいえる。彼がこのような役を演じたときは、違和感なく安心して観られる。


 以下は彼の出演作品で、青は僕のお勧めだ。

 

オールド・ルーキー(2002)
エデンより彼方に(2002)
ディナー・ウィズ・フレンズ(2001)
オーロラの彼方へ(2000)
トラフィック(2000)
エニイ・ギブン・サンデー(1999)
マイ・ハート、マイ・ラブ(1999)
ファミリー・ゲーム/双子の天使(1998)

セイヴィア(1998)
ギャングシティ(1997)
スイッチバック(1997)
ドラゴンハート(1996)
愛に迷った時(1995)
ワイアット・アープ(1994)
ワイアット・アープ/ディレクターズカット(1994)
アンダーカバー・ブルース/子連れで銃撃戦!?(1993)
フレッシュ・アンド・ボーン/渇いた愛のゆくえ(1993)
ワイルダー・ナパーム(1993)
愛と哀しみの旅路(1990)
ハリウッドにくちづけ(1990)
グレート・ボールズ・オブ・ファイヤー(1989)
熱き愛に時は流れて(1988)

D.O.A.(1988)
インナースペース(1987)
容疑者(1987)
ビッグ・イージー(1986)
第5惑星(1985)

ドリームスケープ(1984)
ザ・ファイト(1983)
ジョーズ3(1983)
ライトスタッフ(1983)
おかしなおかしな石器人(1981)
恋のドラッグストア・ナイト(1981)
さよならジョージア(1981)
ロング・ライダーズ(1980)
ヤング・ゼネレーション(1979)
ウィニング・シーズン/勝利の季節(1978)
ジェームズ・ディーンにさよならを(1978)
ハイスクール・レイプ(1978)

 

 

 

 二人目の男優にいこう。1966年生まれのジョン・キューザックだ。


 父はエミー賞を受賞した経験のあるドキュメント映像作家で、俳優や脚本も手掛けたディック・キューザック。姉は何度も共演している女優のジョーン・キューザック。その他の姉妹、弟も俳優。83年、「恋のスクランブル」で映画デビュー。その後数多い作品で好印象な青年役を演じている。

 

 今回観た作品は、

 

セレンディピティ」<SERENDIPITY>

2001/アメリカ
監督:ピーター・チェルソム
主演:ジョン・キューザック/ケイト・ベッキンセイル

 

 幸せな偶然、思わぬ発見をする特異な才能.、とういう意味だ。相手役の女優・ケイト・ベッキンセイル(「パール・ハーバー」「ブロークダウン・パレス」他)がとてもかわいかったことが、この作品の最大のできといえる。こんないいかたをすると、ジョン・キューザックに申し訳ないが、数多く彼の作品を観てはいるが、まだこれといって印象に残るような作品は今のところない。彼の場合は、そつなくどんな役も演じているが、決して鼻につくような下手な俳優では決してないので、今後もっと伸びる俳優の一人には違いない。
 彼の一番多い役どころは好青年だろう。「セレンディピティ」はその代表格として、他にも「アメリカン・スウィートハート」「フィオナが恋していた頃」「訣別の街」「心の地図」「シュア・シング」などがある。このようなはまり役を演じている限り観客からの指示は続くだろうし、大きな脱線はしないだろう。しかし一方では、あまりにもイメージが固定してしまうと、今後お決まりの内容の脚本しか選べないことになり、俳優としての幅を狭める結果ともなりえないところが、彼のいる業界の難しいところだろう。


 以下は彼の出演作品で、青は僕のお勧めだ。 

 

アダプテーション(2002)
アメリカン・スウィートハート(2001)
セレンディピティ(2001)

ハイ・フィデリティ(2000)
狂っちゃいないぜ(1999)
ジャック・ブル(1999)
シカゴ・ドライバー(1999)
マルコヴィッチの穴(1999)
クレイドル・ウィル・ロック(1999)
シン・レッド・ライン(1998)
フィオナが恋していた頃(1998)

アナスタシア(1997)  ―アニメの声優としてー
コン・エアー(1997)
真夜中のサバナ(1997
)
ポイント・ブランク(1997)
訣別の街(1996)
ブロードウェイと銃弾(1994)
ケロッグ博士(1994)
カッティング・エッジ(1994)
ビッグ・マネー・ブルース(1993)
ウディ・アレンの 影と霧(1992)
心の地図(1992)

ザ・プレイヤー(1992)
蜃気楼ハイウェイ(1991)
トゥルー・カラーズ(1991)
グリフターズ/詐欺師たち(1990)
シャドー・メーカーズ(1989)
セイ・エニシング(1989)
エイトメン・アウト(1988)
テープヘッズ(1988)
トラブル・バケーション/熱い追跡(1987)
スタンド・バイ・ミー(1986)

ワン・クレイジー・サマー(1986)
シュア・シング(1985)

ナティ物語(1985)
やぶれかぶれ一発勝負!!(1985)
グランドビューU.S.A.(1984)