2008年9月29日
最近、ロン・ハワード作品であることを知らずに20年以上前に制作された2作品を続けて観た。評価は○とxに分かれた。
○評価の作品は、
「ガン・ホー」<GUNG HO>
1986/アメリカ
主演のマイケル・キートンは日本の自動車工場をアメリカの田舎町に誘致し、失業者で溢れそうになった町を救ったかに見えたのだが、日米双方の人生や労働への価値感の差異が表面化し騒動になるという、コメディータッチ)。
この作品は1986年に制作されている。今では変わってきていると思うが、作品の中では、アメリカ人から見た日本人観は次のように描かれている。
①会社への忠誠心が異常なほど強い
②個人主義はなく会社集団主義
③会社の業績向上は自己実現よりも大切
④会社が人生そのもの。
ラジオ体操や川の中で日本人社員全員が精神修行するなど、ステレオタイプな描き方はあったものの、決して的外れではなかった。
お話としては、月間生産台数を達成するために価値観の違う両国の社員がそれぞれの持ち味を活かし、15,000台をなんとか達成させるというもの。ラストでは進出した日本企業の会長役で山村聡が強面で登場するのだが、これぞトップというような果敢で温情がありユーモアのある判断を下す。きっとアメリカ人から見ればこの会長像こそが、合衆国大統領になるのだろうなと思いながら、僕もハッピーエンドを楽しんだ。
x評価は「ラブ IN ニューヨーク」<NIGHT
SHIFT>(1982年 ニューヨークの死体置き場で夜勤する二人は、副業として、娼婦たちのために安心かつ安全に商売ができるよう会社を作り軌道に乗るが、恋心が芽生えてまたまたひと騒動、というライトタッチなラブコメディー)。準主役だったのは、またまたマイケル・キートンで、この作品が彼のデビュー作品。
xをつけたのは、ラブコメ作品にしてはテンポが遅かったから。また、ハッピーエンドにはなるのだが、あまりにも平凡すぎて盛大な拍手が送れず欲求不満だったからだ。近年のラブコメディーは、話にメリハリが利いており、どちらかというとお伽噺ではなく現実感に溢れている作品が多い。また、ラストシーンでは観ている側が幸せになれる台詞やシーンが用意されている。身近に感じることができる小さな幸せがスクリーンで描かれると、不思議と大きな幸せであるかのように思えてしまう。
近年のラブコメディーを観る感覚で26年前のラブコメディーに臨んでしまうと○の評価は難しい。
これまで僕の観たロン・ハワード監督作品の評価は下記の通り。
○評価作品
シンデレラマン (2005)
ミッシング (2003)
ビューティフル・マインド (2001)
身代金 (1996)
アポロ13 (1995)
ザ・ペーパー (1994)
ウィロー (1988)
コクーン (1985)
スプラッシュ (1984)
エドtv (1999)遥かなる大地へ (1992)
△ 評価作品
ダ・ヴィンチ・コード (2006)
バックドラフト (1991)
バックマン家の人々 (1989)
x評価作品
ラブIN ニューヨーク (1982)
また、ロン・ハワードが監督としてではなく、製作総指揮を務めたテレビシリーズ「24」の1~4シーズンや、制作を務めた「フロム・ジ・アース [人類、月に立つ]」 (1998)は僕の○作品になっている。