11回目 2016.08.27

 

 今月初旬、パスポート更新のためビエンチャンに行ってきた。ラオスに来てから2回目の訪問だ。僕のパスポートは来年の1月で切れる。ラオスから出国するためには、有効期限が6か月残っている必要がある。すでに半年を切っていたためビエンチャンに行ったわけだ。

 サワナケート空港を18時に発ちビエンチャンに到着したのは20時30分。NGOの仲間であるカムヒアさんが迎えに来てくれ、ホテルまで送ってもらった後、食事に行き楽しいひと時を過ごした。

 翌日は、またまたカムヒアさんに日本大使館まで送ってもらい更新手続きを行った。更新料は約100万KIP。その後ホテルまで送ってもらい、彼とはいったんここで別れた。今度はロビーで取引先の車を待ち、ほどなくやってきた彼の車で1時間くらい走ったところにある彼の事務所に行き商談を済ませた。その後は、ホテルまで送ってもらい再度カムヒアさんと合流しメコン川沿いの屋外で夕食を楽しんだ。

 実は、今回の訪問ですごい光景に出会った。なかなかないだろう。

 

 それは、サワナケートに帰るために立ち寄ったパクセ空港で起こった。

 出発ロビーには60人くらいの乗客がいたのだが、なんとも騒がしい光景が広がっていた。見た限り、パキスタンかバングラディシュの30人くらいの一行が、機内持ち込みの荷物の件で空港職員と何やらもめていた。30分くらいでもめ事は収まり、ほどなく彼らは飛行機に向かった。ほかの乗客も彼らの後をついていったが、この時点で、僕ら乗客は、”これは何かおこるぞ”、と思っていた。

 30人の一行がものすごい手荷物をそのまま機内に持ち込んだため、彼らの列はまったく進まない。その光景を見たほかの乗客は、列から外れ様子を伺うことにした。30分経っても彼らは機内に入れないでいる。僕ら乗客は翼の下でこの光景を見ていたのだが、これは無理だなと判断し、出発ロビーに戻ることにした。

 その時だった。怒った機長が機内から出てきて、怒鳴りながら彼らを強制退去させた。持っているかばんもそのまま外に放り投げていた。よほど頭にきていたのだろう。

 30人の荷物が全部外に出されると、それらの荷物は出発ロビーに持っていかれた。荷物がなくなったので、やっと彼らは搭乗することができた。それを見て、僕ら乗客も搭乗を開始した。すでに1時間の遅れが出ていた。

 しかし、またまた困ったことが起きていた。

 30人一行は、座席番号を一切無視し好きなところに座っていたのだった。僕ら乗客はお互い顔を見合わせ、”しょうがない、適当に空いているところに座りましょう”と心の中でつぶやき、それぞれがとにかく空いている席に座った。

 僕のお隣さんは、ひげもじゃのおじさんで、落ち着きがない人だった。シートベルトを知らないようなので、僕が教えてあげようとベルトを手にしたら、手を払いのけられた。これにはびっくり。まあ、いいか、と教えるのを断念。CAがベルトをするよう注意し、おじさんは僕のベルを見ながらなんとか着用した。

 離陸後も、とにかくおしゃべりがうるさい。隣同士はもちろんだが、いくつもの席を飛び越えての会話だから、たまったものではない。僕はすかさずパソコンを取り出し、映画を観ることにした。これでうるさい会話から解放されたのだった。

 30分後には無事サワナケート空港に到着し、一行とはお別れした。平穏な時間がやっと戻ってきた。ちなみに彼らは、その飛行機でバンコクに向かった。

 

 だが、ほっとするのはまだ早かった。

 預けた荷物が飛行機に積まれていなかったのだ。全員、”あ~、あのとき”と思ったに違いない。もう面倒くさくなり手違いの理由を空港職員には聞かなかったので真相はわからないが、まず、間違いないだろう。「あのとき」に決まっている!

 結局、僕はそれから3時間後に再度空港に荷物を取りに行く羽目になった。

 

 なんだかな~な、でも、面白い体験でした。