18回目 2017.05.21

 

 

 

 今回書くのはサワナケートのお葬式。

 

先日、スタッフの祖母が亡くなったので葬儀に参列したのだが、何もかもが驚きの連続だった。 

午前11時、多くのスタッフとともにピックアップトラックで彼の自宅に向かった。走ること15分。到着すると100人くらいの弔問客がテントの下にいた。僕らも空いているテントで待つことにした。

 軽食が用意されている。普通に美味しいのだが、辛いのがダメな人には少しハードルが高いかもしれない。30分しても何も始まらない。ただ待つのみ。

 そして僕は気が付いた。

 すごい!何がすごいかと言うと、待っている弔問客が、なんと、それぞれのテーブルでトランプをしている。興味があり近くで見ることにした。それはポーカーに近いルールだった。しかも賭けている。えっ!葬式なのに!!しかし、どのテーブルも同じで、みんなポーカーもどきに勝った負けてで歓声をあげている。

 

1時間が経過したところで白い服を着た女性たちが棺がある2階の部屋から出てきた。いよいよ火葬場に移動するようだ。ピックアップトラックに棺を移しお坊さんもそこに乗り車は出発。弔問客の車とバイクがその車に長い列を作りついていく。20分後火葬場に到着。

 

またまたびっくり。

 

火葬場と言っても広場にすぎない。そこには火葬するための櫓のようなものがすでに組まれており、棺はそこに安置された。弔問客は広場に落ちている木々を拾いそこに置いていく。もちろん僕も参加。

 ここからがすごかった。

 静寂の中で櫓に大量のガソリンがかけられた。えっ、ガソリンで焼くの!?スタッフに聞いたらこれが普通らしい。 

白装束の人たちがいる場所での読経が終わると、櫓のそばに設置されている打ち上げ花火3発がピューという音とともに打ち上げられた。そして、白装束の人たちのいる場所から櫓に引かれている30メートルくらいの導火線の先端に火が点けられると、これまたピューという音を立て、ものすごい速さで櫓に向かい、あっという間に櫓に到着しガソリンに引火。一瞬でボッーという轟音と共に櫓は大きな火柱に包まれた。なんとなく嫌な感じがしたのは、ガソリンを使用しているため火柱に黒い煙が混ざっていたことだった。

 

ここからまた故人の自宅に戻り食事が振る舞われる。

 

テーブルに行く前にある儀式があった。戻ってきた弔問客は、まずは洗面器に用意されている水を自分で少量頭にかける。そして、老婆から手渡された20センチくらいのナイフを歯で噛みしめる。形式は違うものの、日本でいうお清めと同じものだ。 

着席すると、またまたポーカーもどきをやり始める弔問客の光景にもう驚きはなかった。ここで日本と違うことの一つに、この場ではお酒はだされない、ということだ。日本であれば待ち時間や火葬後にはお酒が振る舞われるが、ここではそのような習慣はないらしい。 

 

実はこの3日前も葬式に行ってきた。ただこのときは火葬には立ち会わずお焼香だけだった。

 このときにも驚きがあった。 

棺がクリスマスシーズンの街路樹のようで、チカチカときれいなイルミネーションで電飾されていたことだ。言うまでもないが、厳かはまったくなかった。 

 

国が違えば慣習も違うことをまさに感じることができた実にいい体験だった。