2012年12月16日

 

 

今年観た作品で実話・事実ベースの○作品を取り上げる。

 

エクスプレス 負けざる男たち」<THE EXPRESS>
(2008/アメリカ 監督:ゲイリー・フレダー 主演:ロブ・ブラウン/デニス・クエイド)
一言紹介:若くして夭逝した黒人のアメリカン・フットボール選手アーニー・デイビスの不屈の物語。

舞台は1950年代のアメリカ。人種差別が激しい時代だ。そんな社会の壁を乗り越え大学フットボール最高の名誉ハイズマン賞を受賞しプロ契約も決まるのだが、その先には悲しい結末が待っていた。
この手の物語は数多くあるのだが、実話というところが悲しすぎる。

戦火の中へ」<INTO THE FIRE>(2010/韓国)

オーシャン・オブ・ファイヤー」<HIDALGO>
(2004/アメリカ 監督:ジョー・ジョンストン 主演:ヴィゴ・モーテンセン/オマー・シャリフ)
一言紹介:
19世紀末のアラビア砂漠、全長3000マイルレースに参加した一人のカウボーイと愛馬の物語。

今なら4800kmもの砂漠地帯を馬で走り抜けるようなレースは開催されないだろう。敵ではあるがレースで生まれる友情や、ある女性へのほのかな想いや、疾走が繰り広げられるレースなど娯楽要素は満載だった。

 

南極物語」<EIGHT BELOW>
(2006/アメリカ 監督:フランク・マーシャル 主演:ポール・ウォーカー/ブルース・グリーンウッド)
一言紹介:言うまでもなく高倉健主演「南極物語」のリメイク。

南極に取り残された犬たちとの再開を模索し、ついには約束を果たし再会する人間と犬とのヒューマンドラマ。

 

127時間」<127 Hours>
(2010/アメリカ・イギリス 監督:ダニー・ボイル 主演:ジェームズ・フランコ/アンバー・タンブリン)
一言紹介:
誰も立ち寄らない峡谷で、落石した巨大な岩に腕を挟まれたまま時間だけが無常にも過ぎていく中での、青年登山家アーロン・ラルストンの脱出物語。

時間の経過と共に主人公は幻覚をみるようになる。そして死を考え始める。
おそらく主人公は、エリザベス・キューブラー=ロスの『死ぬ瞬間』という著作にある、死の5段階を過ごしていたのだろうと思った。
1.否認(自分が死ぬということは嘘ではないのかと疑う段階)
2.怒り(なぜ自分が死ななければならないのかという怒りを周囲に向ける段階)
3.取引(なんとか死なずにすむように取引をしようと試みる段階で何かにすがろうという心理状態)
4.抑鬱(なにもできなくなる段階)
5.受容(最終的に自分が死に行くことを受け入れる段階)

 

おにいちゃんのハナビ」(2010/日本 監督:国本雅広 主演:高良健吾/谷村美月)
一言紹介:高校卒業後、引きこもっていた内気な兄。なんとかしようとする病に侵された妹。
兄、妹との花火を通した深い絆の物語。

涙腺が弱くなくてもうるうるでしょう。

 

幸せへのキセキ」<WE BOUGHT A ZOO>
(2011/アメリカ 監督:キャメロン・クロウ 主演:マット・デイモン/スカーレット・ヨハンソン)
一言紹介:
妻の死によりうつろな日々を送る主人公は心機一転、物園付きの邸宅を購入する。
兄や子供たち、動物園スタッフらと動物園再会に向け奮闘し、同時に人生を取り戻していく様を綴ったヒューマンドラマ。

餌代は大変そうだが、なんだかいいな~。

 

アイガー北壁」<NORDWAND>
(2008/ドイツ・オーストリア・スイス 監督:フィリップ・シュテルツェル 主演:ベンノ・フユルマン)
一言紹介:
1936年、ヨーロッパ最後の難所と呼ばれたアイガー北壁で起きた遭難事故を克明に描いた物語。

時代が80年近くも前のことの故、画面に登場する山岳装備品は心もとない。現在の装備品を使用していればこの事故は防げたのではないだろうか。いつの時代でも冒険家はたくましい。
それはそれとして、この事故はある意味で人災と言えるのかもしれない。
背景としては、ナチス政府は国家の優位性を世界に示すべく、ドイツ人によるアイガー北壁初登頂を大きな目標に掲げていたことが挙げられる。成功者にはベルリンオリンピック(1936年8月1日~8月16日)の金メダルを授与すると公表したことで多くの登山家が集結したからだ。ただし、強制ではなかったため事故があったとしても、自己責任ではあるのだが。

 

ジェラルド・バトラー in THE GAME OF LIVES」<THE GAME OF THEIR LIVES>
(2004/アメリカ 監督:デヴィッド・アンスポー 主演:ジェラルド・バトラー/ウェス・ベントリー)
一言紹介:
1950年のワールドカップ・ブラジル大会で、アメリカの寄せ集めチームがイギリスの名門チームを破った奇跡の実話を題材にした物語。

サッカーの歴史が垣間見え、かつ、楽しめる仕上がりになっていた。

 

闇の列車、光の旅」<SIN NOMBRE>
(2009/アメリカ・メキシコ 監督:キャリー・ジョージ・フクナガ 主演:エドガル・フローレス)
一言紹介:アメリカを目指す中南米の不法移民の過酷な現実を描いた物語。

作品では貨物列車の屋根に乗り込みアメリカを目指すのだが、さらに危険なのは、弱い立場の移民を狙うギャング団が待ち受けているという現実があることだ。
仮に不法入国できたとしても、必ずしもハッピーエンドが待っているとは限らない。そのような現実はかつてのコラムでも紹介した。
正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官」<CROSSING OVER>
13歳の夏に僕は生まれた」<QUANDO SEI NATO NON PUOI PIU NASCONDERTI>

 

エアポート1978 運命の決断」<WESTFLUG - ENTFUHRUNG AUS LIEBE>
(2010/ドイツ 監督:トーマス・ヤオホ 主演:ゾフィ・フォン・ケッセル/オリヴァー・モムセン)
一言紹介:
1978年、東西冷戦下。東ドイツから西ドイツに亡命するため、ハイジャックを慣行した人たちを描いた自由への物語。

前半はのらりくらりした展開で辛かったが、後半、その展開を受けて物語は次第にアップテンポになっていく。まさに命をかけた脱出劇だった。注意としては、飛行機ものと思って観たらハズレ。
あくまでも歴史ものの認識で観ることをお勧めします。(評価としては△でしたが掲載しました)

かつて僕が観た作品で、東ドイツから西ドイツに亡命というストーリーで○だったのは2作品。

「気球の8人」<NIGHT CROSSING>(1981/イギリス)

トンネル」<DERTUNNEL>(2001/ドイツ)